10月26日更新の情報】(再掲)


九重連山秋

10月24日の九重連は曇のち晴。15時前の牧ノ戸峠の気温は15℃。前回の山行は日没前に山頂がガスに包まれあえなく撃沈でした。今回はどこにしようかと思案の末、再度扇ヶ鼻で夕景を観賞することにして、 午前の仕事を終えた後、九重連山へ向かいます。ところがしかし・・・、玖珠町を通過する頃、山にはガスがかかり、九重連山は全く望めません。しかも前回よりはるかに条件が悪く、長者原に着くと山には濃いガスが かかっています。またしても悩んだ末、ダメ元で扇ヶ鼻へ向かうことにして15時前に牧ノ戸峠から入山します。この時刻なら駐車場にも空きがあり、駐車場所に困ることはありません。

東屋のある沓掛山第1展望台はガスで視界が開けず、沓掛山山頂もガスガスです。鍋谷側の南斜面のドウダンがわずかに色付いているものの、沓掛山周辺の色付きは始まったばかりです。ガスに包まれているので眺望は開けず、 淡々と歩くのみです。ところが扇ヶ鼻分岐手前にさしかかった16時前になり、ガスが急に晴れ始めます。ガスは断続的に濃くなっては再び消えて、扇ヶ鼻の山頂下の台地へ登ると、周囲の視界が一気に開けてきます。 このまま日没まで晴れてくれることに期待しつつ、山頂へ向かいます。

扇ヶ鼻山頂付近にはミヤマキリシマの群落がありますが、秋に紅葉するドウダンやカエデなどは決して多くはありません。それでも山頂北側斜面には少しばかり紅く色付くドウダンもあり、 星生山西斜面より色付きが進んでいるように見えます。ここからは日没まで山頂西側の岩場で根気よく夕景を楽しみます。傾きゆく秋の陽が雲の切れ間から注ぐと、久住高原から瀬の本へ、さらには猟師山から星生山まで広がる 壮大な雲海を染めていきます。17時20分過ぎ、西の地平線にかかる雲の中に日没。扇の台地を下り沓掛山へと下る登山道で見届けます。

冬ですと日没後は急激に気温が下がり始め、汗で濡れている着衣が凍り始めるので、ヘッドランプを点して登山口まで下るのは少々苦労するものですが、この時期であれば氷点下まで冷え込むこともなく、 慎重に歩けば難なく山を下ることができます。当然ですが、夕景を楽しむにはヘッドランプは必須です。朝駆けご来光観賞であれば、登山口で点灯して入山するので問題は起きないのですが、夕駆けだと途中で点灯するので、 万が一バッテリー切れなどのトラブルがあると非常に危険です。最悪スマトフォンのライトを使うという方法もありますが、ヘッドランプが故障した時に備えて、念のためスペアを用意しておくことをおすすめします。

鹿の鳴き声が響く登山道を慎重に下り19時前に牧ノ戸峠に帰着。朝駆けと違い、万が一転倒や滑落などでけがをして動けなくなった場合は、翌朝まで登ってくる人はまずいないでしょうから、 一晩真っ暗な山の中で過ごすことになります。夕駆け夕景観賞で最も大切なのはこのような事態に遭わないようにすることで、慎重には慎重を期して山を下るようにしたいものです。

【追伸】
掲載中の画像はX(Twitter)へポストしてる画像にリンクしています。全部ではありませんが、画像をクリックすると拡大しますので、精細な様子を確認できます。





【秋の夕景】(2025年10月24日撮影)

日没が迫る扇ヶ鼻で迎える秋の夕景

Nikon Z50U NIKKOR Z DX 12-28mm PZ F8 1/20s ISO125

10月24日撮影

【沓掛山第1展望台】

牧ノ戸峠はガスガスで視界なし。沓掛山もご覧のとおりでガスガス。ダメ元で入山するも撃沈の可能性が極めて高く、勇気がいる決断でした。

【沓掛山南斜面】

かろうじて望めた沓掛山南斜面。ドウダンがわずかに染まり始めです。周囲の紅葉はまだこれからです。

【星生山西斜面】

15時40分過ぎ、それまで濃いガスに覆われていた山では急にガスが薄れ視界が開け始めました。星生山西斜面の紅葉は先週より進んでいますが、まだこれからのようです。 ピークは次週後半でしょうか。例年よりかなり遅れ気味です。

【再びガスかかる星生山】

扇ヶ鼻登路から望む星生山方面。ガスは一気に消えてしまうことはなく、消えては再び濃いガスに覆われ、再度消えるということを繰り返しながら、徐々に薄れていきます。

【星生山】

扇ヶ鼻周辺では山頂の北側斜面が最も色付いていました。思いのほか良い感じです。夕景はここが良い感じです。

【扇ヶ鼻北斜面】

扇ヶ鼻周辺では山頂の北側斜面が最も色付いていました。思いのほか良い感じです。

【雲間からの青空】

雲間から注ぐ夕日が影を伴いながら山々を照らしていきます。上空の雲が切れ青空が覗く夕景が見られるのでしょうか。このまま晴れ続けてくれることを期待しつつひたすら待ちます。

【雲かかる】

山頂側の岩上から望む夕日が注ぐ扇ヶ鼻山頂と北斜面。控えめながら程よい染まり具合です。一転して上空は雲に覆われてしまいました。

【星生山】

山頂北斜面には西の地平線近くへと傾いた夕日が長い影を伸ばし始めています。

【岩井川岳】

雲切れ間から注ぐ夕日が岩井川だけの向こうに広がる雲海に天使のハシゴをかけていました。猟師山が雲海に浮かぶ孤島のように見えていました。

【日没】

17時20分過ぎ、西の地平線にかかる雲の中に日没。静かな日の入りでした。前回撃沈していただけに、今回は実にラッキーでした。



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