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東屋のある沓掛山第1展望台はガスで視界が開けず、沓掛山山頂もガスガスです。鍋谷側の南斜面のドウダンがわずかに色付いているものの、沓掛山周辺の色付きは始まったばかりです。ガスに包まれているので眺望は開けず、 淡々と歩くのみです。ところが扇ヶ鼻分岐手前にさしかかった16時前になり、ガスが急に晴れ始めます。ガスは断続的に濃くなっては再び消えて、扇ヶ鼻の山頂下の台地へ登ると、周囲の視界が一気に開けてきます。 このまま日没まで晴れてくれることに期待しつつ、山頂へ向かいます。 扇ヶ鼻山頂付近にはミヤマキリシマの群落がありますが、秋に紅葉するドウダンやカエデなどは決して多くはありません。それでも山頂北側斜面には少しばかり紅く色付くドウダンもあり、 星生山西斜面より色付きが進んでいるように見えます。ここからは日没まで山頂西側の岩場で根気よく夕景を楽しみます。傾きゆく秋の陽が雲の切れ間から注ぐと、久住高原から瀬の本へ、さらには猟師山から星生山まで広がる 壮大な雲海を染めていきます。17時20分過ぎ、西の地平線にかかる雲の中に日没。扇の台地を下り沓掛山へと下る登山道で見届けます。 冬ですと日没後は急激に気温が下がり始め、汗で濡れている着衣が凍り始めるので、ヘッドランプを点して登山口まで下るのは少々苦労するものですが、この時期であれば氷点下まで冷え込むこともなく、 慎重に歩けば難なく山を下ることができます。当然ですが、夕景を楽しむにはヘッドランプは必須です。朝駆けご来光観賞であれば、登山口で点灯して入山するので問題は起きないのですが、夕駆けだと途中で点灯するので、 万が一バッテリー切れなどのトラブルがあると非常に危険です。最悪スマトフォンのライトを使うという方法もありますが、ヘッドランプが故障した時に備えて、念のためスペアを用意しておくことをおすすめします。 鹿の鳴き声が響く登山道を慎重に下り19時前に牧ノ戸峠に帰着。朝駆けと違い、万が一転倒や滑落などでけがをして動けなくなった場合は、翌朝まで登ってくる人はまずいないでしょうから、 一晩真っ暗な山の中で過ごすことになります。夕駆け夕景観賞で最も大切なのはこのような事態に遭わないようにすることで、慎重には慎重を期して山を下るようにしたいものです。
【追伸】
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日没が迫る扇ヶ鼻で迎える秋の夕景
Nikon Z50U NIKKOR Z DX 12-28mm PZ F8 1/20s ISO125
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