2002年 秋

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2002年9月

【9月3日】初秋の空と中岳(天狗ヶ城下にて)

9月3日の九重連山は晴。雲は多めでしたが、秋空が広がる山行日和です。下界では残暑が厳しい日が続いて いますが、九重連山でも昼間の気温は高く、まだまだ汗ばむ陽気です。平日とあって人出も少なく、牧ノ戸峠 から久住山経由で中岳周辺を歩いてきましたが、いつになく静かな山行を楽しめました。
9月に入り、秋の気配があちらこちらから感じられるようになりました。登路脇にはススキが穂を出し、 リンドウも咲き始めています。西千里ヶ浜では群生地のイタドリも花を咲かせています。空を仰げば、積雲も 見られるものの、高い空には秋を感じさせる雲も浮かんでいます。季節は確実に秋へ移ろっているようです。 これからまた秋のシーズンには、多くの人が九重連山へ押し寄せ、紅葉の時期をピークににぎわいを見せます。 静かな山行を楽しむには、やはり平日に休暇を取っての山行に限るようです。(笑)9月中旬からの3連休 には、また坊がツルでの初秋の野営を計画中です。

【9月8・9日】雲間から差し込む午後の陽

9月8日の九重連山は各山頂付近に雲がかかる天候です。時折雲間から太陽が顔をのぞかせるものの、 再び雲に覆われる状態が続きました。正午過ぎに長者原より入山。雨が池経由で坊がツルへ。 テントを設営し、小休止してから、雲の切れ間から青空も望める状態の大船山をめざします。 山頂に着く午後4時過ぎには、段原から山頂付近もガスに覆われてしまい、視界も開けません。 今日は坊がツル泊ですので、たっぷり時間があります。このまま夕景を撮影したいところでしたが、 ガスが晴れる気配もなく、午後5時過ぎに断念して下りました。法華院温泉山荘の温泉で汗を流し、 キャンプ場にもどる頃には、再びガスも晴れ始め、星空も見えてきました。この日のテントは3張でありました。 夜が更けると共に徐々に晴れ始めました。夜はかなり冷えるようになりましたが、まだ夏用のシュラフと シュラフカバーで十分快適に眠れます。
9月9日は朝から晴れ渡り、大船山頂付近に雲がわずかにかかる程度です。坊がツルに日が差し始める 8時前には雲一つ無い青空が広がりました。晴天のため、さすがに朝露が深く、テントが乾き始めるまで撤去を 待ったため、撤去が完了し坊がツルを出発したのは10時を過ぎていました。9日午後は所用のため、このまま下る ことになっており、再び雨が池経由で長者原へ。途中ヘリコプターが飛来し、しばらく三俣山周辺を飛行して いましたが、指山山頂から人を吊り上げてそのまま去っていきました。訓練か、はたまた遭難騒ぎか 真相は不明です。雨が池付近にはマツムシソウが咲き、紫の花が風に揺れています。草原にはススキも 揺れ、いよいよ九重連山も本格的な秋を迎えたようです。

【9月14日】三俣山南峰に咲くリンドウ

9月14日の九重連山は曇。午前9時前には1300m付近からガスがかかる状態で、時折霧雨状の雨がぱらつく 天候でした。午後にかけて徐々に天候は回復傾向で、正午前にはガスも晴れてきました。秋の行楽シーズン、3連休 とあって、バスを仕立てての団体が押し寄せています。三俣山を目指しましたが、ここでも20人単位の中高年の 団体が登路をゆっくりと登っており、巻き込まれてなかなかペースがあがりません。ガイド役とおぼしき人の説明が またおもしろくて、間違いだらけの説明を神妙に聞いている妙齢?の女性が、大げさに感激して見せたりする様は 見ていて飽きさせません。それぞれの楽しみ方があって、それはそれでよろしいかと思います。(笑)
三俣山頂付近は今年もリンドウの花が豊作?であります。すでに花が咲いていますが、つぼみも多く、これから しばらく楽しめそうです。西峰付近の登路や、南峰付近が特に花が多いようです。おすすめは南峰頂上付近で、 三俣山は長者原からの寄りつきが良いことに加え、特に南峰は花も多く、足の踏み場がないほど群生している場所 もあり、見応えがあります。

【9月21日】にぎわう涌蓋山頂

9月21日の九重連山は曇。各山頂付近にはガスがかかる状態です。この日も例によって前夜の深酒がたたり、 自宅を発った時にはすでに9時を過ぎており、しかも徐々に天候も曇りへと向かうとの予報でしたので、 短時間の勝負であります。(苦笑)
ということで、今回はおすすめの山の紹介です。これから11月初旬までの秋の行楽シーズンには、九重連山 にもまた多くの人が訪れることと思います。大船周辺の紅葉は見応えがあり、確かにこれもおすすめですが、 手軽に楽しめて景色も良いということになりますと、九重連山の西のはずれにある涌蓋山でしょうか。 周囲は360度視界が開け、景色は抜群。山頂付近は草原になっており、ゆっくりと休憩できます。 当然この時期は大変にぎわいますので、承知の上でお出かけください。
今回は湯坪からショートコースで山頂へと向かいました。湯坪からのコースは、延々と作業道の砂利道を 歩きますが、涌蓋越手前では、笹に覆われて踏分が見えにくい場所もあり、荒れていました。山頂付近は 時折ガスがかかるものの、寒くもなく快適な状態で、多くのグループでにぎわっていました。

【9月28日】増設された木道と三俣山

9月28日の九重連山は曇。朝は1300m付近からガスがかかる状態でした。午前10時頃、急激にガスが晴れ 始めるのを待って入山しました。天候は午後にかけて回復するとの予報でしたので、3週ぶりの坊がツルを経由して 大船山方面へ向かいました。坊がツルキャンプ場では、午後にかけてテントが徐々に増えていきます。
大船山頂付近には時折ガスがかかり、ガスの切れ間から坊がツルや黒岳方面が望めました。それでもガスが断続的に 濃くなり、撮影もままならない状態でしたので、13時過ぎには下りました。キャンプ場では、背丈ほどあるススキ の間に見え隠れする色とりどりのテントがすでに6張りになっていました。秋が深まり、坊がツルはリンドウの花が あちらこちらに咲いています。つぼみも多く、しばらく楽しめそうです。また、坊がツル周辺部では、すっかり穂を 開いたススキに覆われており、風が吹くとススキの穂綿が舞っていました。

2002年10月
【10月5日】秋の御池と中岳

10月5日の九重連山は快晴。九重連山は木々の葉も色づき始め、週毎に秋の深まりを感じさせます。秋の行楽シーズン とあって、牧ノ戸峠駐車場に着いた午前9時頃には、駐車場も満車に近い状態です。この日は、ホームページへ 相互リンクをしている木下氏と駐車場で会い、熊本県荒尾産の梨をいただきました。私は中岳方面へ、氏は三俣山方面へ 向かうとのことで、9時半前に別れ、入山しました。
さすがに秋のシーズン中とあって、牧ノ戸から久住山へのルートは至る所で渋滞?しています。このルートの特徴は、 様々な格好や年齢層の人が大挙して押し寄せていることです。子どもの手を引いた親子連れから、革靴やサンダル履きの 人もいます。しかも8割程度は久住分れから久住山へと向かいます。それでも、牧ノ戸から久住山のメインルートを はずれるとそれなりに静かですから、久住分れから稲星山や白口岳、中岳から天狗ヶ城周辺に向かえば、久住山頂の ような喧噪からは逃れることができそうです。
中岳から望む坊がツルにはテントが数張り。来春の野焼きに備えて防火帯を作る輪地焼きの炎も望めました。また、 沓掛山から鍋谷上部、星生山周辺にかけては紅葉してきています。先週の大船山頂周辺の様子からも、各山頂付近 の紅葉は来週末あたりから見頃を迎えそうです。しかしながら、私は次週末は所用のため山行はお休みの予定。 できれば翌週の平日にでも休暇を取って出かけたいところです。

【10月14日】大船山の御池に映る紅葉

10月14日の九重連山は晴。飯田高原周辺は連休最終日も多くの行楽客でにぎわっています。九重連山では各山頂 付近が紅葉のピークを迎えています。午前8時前、遅めに到着した吉部からの登路入り口付近は、すでに駐車場所を 探すのに苦労するほど混雑していました。坊がツルは一面ススキの原で、穂並みが秋の陽に輝き、渡る風に揺れていま す。坊がツルキャンプ場は多くのテントが張られていましたが、連休最後とあって次々と撤収していきます。 この連休には野営はできませんでしたが、それでも最終日の予定が急遽一日空くこととなり、今日山行ができただけ でも幸運でした。
大船山頂の御池付近の紅葉は今がピークです。米窪から大船山西斜面も間もなく紅葉のピークを迎えそうです。 今週末までもつかどうか微妙なところです。山頂付近で、いつも当ホームページを見ていただいているという方から お声かけいただりもしました。しかしながら、この時期、休日の大船山周辺では初夏のミヤマキリシマのシーズンと並び、 多くの登山者が訪れ大変混雑しており、早めに坊がツルへ下り、キャンプ場の草原に寝ころんで、ゆっくりと秋を 満喫することにして、早々に下りました。
今日は気温も高めで快適でしたが、朝夕はすっかり冷え込む季節を迎えました。今月も野営を計画中ですが、そろそろ 防寒対策が必要になってきそうです。

【10月26日】タデ原付近の木道とガスかかる三俣山

10月26日の九重連山は曇り。朝から雲が低く、1300m付近からガスがかかっています。午前9時頃の気温は 11度、曇り空で陽も差さず、かなり寒く感じました。しばらく待機し、ガスが切れ始めた10時過ぎに入山。 一時的でしたが天候は急激に回復し、すがもり越に着く頃には山頂付近のガスも晴れて青空が見え始めました。 大船山も見渡せるほど回復してきましたので、坊がツルへの往復の予定を急遽変更して三俣山へ向かいました。 山頂付近は強い風が吹き、吐く息もわずかに白く見えるほどで、手もかじかむ寒さです。本峰付近のお鉢(大鍋・小鍋) では、すでに2週間ほど前に紅葉のピークを過ぎており、今日現在ではわずかに名残が残るのみです。
南峰から望む坊がツルにはテントが数張りありました。天候が良ければ野営を計画していただけに、テントが張られ ているのを見るにつけ、心残りではあります。しかし、13時前には急激に天候が悪化し始め、ガスに覆われ小雨が 降り始めるに至り、そのような心残りもそこそこに早々に山を下りました。長者原に着いた14時半頃には、雨も止み 再び雲間から薄日も差す天候になりました。その後30分ほどで再び曇り始め小雨も降り始めるなど、冬の時雨を 思わせる不安定な天候の一日でした。
山頂付近の紅葉はすでに終わり、山麓へと下っています。長者原から望む指山斜面の紅葉もかなり進んでいます。 しかしながら今日の長者原周辺では、不安定な天候のためか今一歩彩りを欠いていました。

2002年11月
【11月2日】霧氷の大船山と晩秋の紅葉

11月2日の九重連山は曇。午前9時頃の長者原の気温は2℃。風も強く、時折粉雪も舞っています。 このところ急激に寒さが増し、先週は初雪の便りも聞かれ、晩秋から初冬へと季節が移ろっています。 長者原周辺の山はガスがかかり、ガスの切れ間からは霧氷で白くなった山頂付近が望めます。さすがに 連休で九重連山を訪れる人も多く、駐車場は満杯に近い状態です。
このような天候でしたので、雨が池を経由して坊がツルを目指すことにして、晩秋の登路を歩くと、 指山山麓は紅葉が進み、見上げる三俣山山頂付近には霧氷が着き、山麓から山頂にかけて秋から冬へと 移ろう季節の縮図を見るようです。正午頃には雲も切れ始め、坊がツルから望む大船山頂には輝く霧氷が 望めました。このような天候にもかかわらず、坊がツルキャンプ場には次々とテントが設営されていました。 坊がツルには時折粉雪も舞い、今夜もかなりの冷え込みになるものと思われます。
霧氷で白く化粧した大船山頂に、流れる雲の切れ間から青空が覗くタイミングを待って撮影したものが この画像(左)であります。坊がツル周辺の紅葉もすでにピークを過ぎているようですが、時折差す晩秋 の陽に一段と鮮やかに輝いていました。

【11月3日】吹雪く三俣山を見上げる

11月3日の九重連山は雪。牧ノ戸峠付近では、この秋(冬)始めてのチェーン規制が出され ました。各山頂付近は一夜にしてすっかり秋から冬へと様変わりしたように雪景色です。 この日は友人数名と、恒例の秋の山行でした。あいにくの天候でしたが、この秋始めて歩く雪の感触を 楽しみながら、長者原から坊がツルまで往復してきました。坊がツル避難小屋は多くの登山者が押し寄せて 大混雑です。
雨が池付近はうっすらと雪が積もり、登路は雪化粧しています。見上げる三俣山は吹雪いており、 午後からは一段と風雪が強くなり、14時過ぎに長者原から瀬の本間にチェン規制が出されました。 この時期、私もまだ車にスタッドレスタイヤを装着していませんので、次週からはタイヤチェーンだけ でも携帯していこうと思っています。

【11月9日】西千里浜はずれの岩氷と久住山

11月9日の九重連山は曇のち晴。午前9時過ぎの牧ノ戸の気温は−3℃。短い秋が駆け足で 通り過ぎ、凍てつく冬並の寒さが訪れました。9日朝には水分峠から瀬の本にかけてチェーン規制が出されて いました。山下湖上付近の別府阿蘇道路では一部圧雪路があり、通行する車が渋滞しています。 例年になく早く雪が降る時期を迎え、まだスタッドレスタイヤを装着していないため、チェーンを装着しました。 この寒さですから、スタッドレスタイヤに換えようかとも思うのですが、乾燥路での操縦安定性等々を考えると 早めの装着がためらわれるところです。ちなみに、長者原付近で見かけた地元の車は、ほとんど スタッドレスタイヤを装着していました。さすがにチェーン規制が出されていただけあり、牧ノ戸峠 駐車場は圧雪し、冬本番を思わせる光景です。
11月の初旬にチェーン規制が出されるほど積雪することは比較的少ないのですが、今年は数年ぶりに 冬の訪れが早いようで、すでに2週間前には初冠雪しています。今日はまた一段と冷え込んでおり、 牧ノ戸峠付近には見事な霧氷が見られました。沓掛山登路はしっかりと踏み固められており、下りではアイゼンが 必要なほど圧雪しています。
午前中はガスがかかり、粉雪混じりの風も強く吹いていましたが、正午過ぎからはガスも晴れ始め、 時折雲も切れて青空がのぞき始めました。久住分れから中岳方面への登路には5cm程度の積雪。 御池は氷結し始めています。徐々に天候が回復し始めた午後には、久住山を目指す登山客も増えて きました。
今年は秋がことの外短く、突然の冬の訪れに戸惑っています。積雪した登路や氷結した山々も確かに 素晴らしいのですが、季節の移ろいは余韻を残しながら穏やかに、というのがやはりうれしいと 思うのです。

【11月16日】北千里浜から望む硫黄山の噴煙

11月16日の九重連山は晴。午前9時頃の長者原付近の気温は5℃。風も弱く、先週の厳冬期を思わせる風雪が 信じられないほど、暖かな一日です。晴れ渡った空の下、先週降った雪が日陰に残る北千里浜を経て、御池へ向かいます。 北千里浜は無風で、久住分れに着くと弱い風が吹いてはいましたが、軽く汗ばむ心地よい山行を楽しめました。
それにしても、年間を通じて久住山へ向かう人の多さには驚かされます。ほとんど牧ノ戸からの往復コースなの でしょうが、今日もまた多くの登山者が列をなして久住山へ向かいます。加えて御池付近で数十名の団体に遭遇。 長蛇の列に圧倒されて、当初予定していた中岳をパスし、白口谷から法華院温泉山荘方面へ逃走するように下りました。 坊がツルはすっかり冬枯れの装いですが、暖かな初冬の日だまりで、しばしまどろむ夢心地です。
この2週間ほどすっかり冷え込んでいましたが、今日は再び秋に逆戻りしたような暖かさでした。しかし、季節は行きつ戻りつしながらも、 確実に冬の色合いが濃くなっていきます。間もなく御池も完全氷結し、長く厳しい冬本番を迎えます。

【11月23日】日だまりの坊がツルキャンプ場

11月23日の九重連山は晴。午前9時頃の長者原付近の気温は5℃。先週に続き、暖かな一日です。2週間前の 厳しい厳冬期を思わせる風雪が信じられないほどで、それでも今日のような穏やかな一日が平年並みなのでしょうか。 吉部から坊がツルへと向かう登路は、すっかり葉を落とした木々の枝から暖かな日が差し、心地よい汗がにじみ ます。坊がツルは暖かな日だまりで、テントが設営されていました。
雲もほとんどない快晴で、大船山頂からは阿蘇や由布岳、祖母方面まではっきりと見渡せます。山頂は晴天に恵まれた せいか、次々と登ってくる人が絶えません。坊がツルに下り、暖かな日だまりに包まれ、枯れ草の香り漂うキャンプ場で ゆっくりと休憩することにして、早々に下りました。冬とはいえ、天候に恵まれた一日で、すっかり日焼けしてしまい ました。


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