2002年 春

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2002年3月

【3月2日】雲海に浮かぶ星生山(三俣山にて)

3月2日は曇のち雨。朝方は薄雲が広がる状態でしたが、徐々に雲が厚くなり、天候は少しずつ下り坂です。 午前9時頃の長者原付近の気温は5度程度と高めでした。登路には雪もなく、昨日までの雨で多少ぬかるむ ものの、霜でぬかるんだ状態よりずいぶんと歩きやすく感じます。正午前には西から低い雲が押し寄せて、 すがもり越や雨が池越付近から流れ込んできました。ちょうど1700m前後の高さまで雲に覆われ、九重連山 は各山頂が雲海の上に浮かんだ島のように見えます。「今週の一枚」に掲載したように、雲の下からは硫黄山の 噴煙が沸々と吹き出しています。飛行機が上昇して雲の上に出たときのような光景が広がり、三俣山頂にて しばし不思議な感覚を楽しみました。30分ほどで徐々に雲は薄れていきましたが、小雨が降り始めましたので、 早々に下りました。3月を迎え、平地には菜の花が咲き始めました。ここ九重連山でも、雪はほとんど融け、 いよいよ晩冬から初春へと移ろっていきます。

【3月9日】咲き始めた沓掛山のマンサク

3月9日の九重連山は快晴。朝は放射冷却で冷えましたが、気温も徐々に上昇し、暖かな一日となりました。 この時期の登路は凍り付いていますが、気温の上昇とともに融けてぬかるみます。スパッツは必需品です。 登路の雪もほとんど融けていますが、日陰にはまだ名残雪が残っています。意外にも御池はまだ氷結しており、 それでも先週来の暖かな天候で融け始めているようです。沓掛山付近ではマンサクが開花し始めました。 いよいよ九重連山も初春の装いへと移ろっていきます。牧ノ戸峠駐車所は山行を楽しむ観光客でにぎわっています。 冬季に比べると軽装でも支障なく山行が楽しめますが、さすがにぬかるんだ登路をスニーカーでは歩き にくかろうと思うのですが・・。登路のロープ外の枝道を歩いている方が多く、登路の荒廃が一層進みそうです。
9日の山行では、偶然にも当サイトと相互リンクをお願いしている方に2人も会えました。春になり、足取りも 軽くなります。当サイトを訪問いただいている多くの方と、お会いできる機会が増えることを期待しています。
次回更新までのお知らせです。3月17日(日)の10時より坊がつるの野焼きが予定されており、坊がツル付近 の登山道は一時通行が規制されるとのことです。私は残念ながら所用のため山行はできません。 ということで、次回の更新は24日以降の予定です。ちなみに24日は開山祭で、11時より三俣山頂にて 山頂祭、その後記念品配布が行われるそうです。

【3月23日】早春の坊がツルと大船山

3月23日の九重連山は快晴。朝は思いの外冷え込み、午前9時頃の長者原の気温は2度でした。登路は霜柱が 覆い、岩肌には吹き付けた雪が残り、霧氷も見られました。強烈な風が終日吹き付け、体感気温はかなり低めです。 坊がツルの野焼きは、天候の都合で3月30日に延期され、キャンプ場付近は、まだ枯れススキの草原です。 今年は春の訪れも早く、アセビの花も咲き始めており、野焼きで焼かれるのは多少心苦しい気もしますが、これも いたしかたのないところでしょうか。
実は今回の山行で、D1Xのバッテリーを紛失しました。おそらく法華院から坊がツル周辺でザックから機材を 取り出すときに落としたのだと思います。灰色のキンチャク状緩衝剤に入れていますが、見つけられた方はご一報 いただけると幸いです。

【3月30日】すがもり越から望む早春の大船山

3月30日の九重連山は晴。このところの暖かな天候で、九重連山もすっかり春色になりました。登山者も増え、 活気が戻ってきました。30日は延期されていた坊がツルの野焼きということでしたが、またまた延期で31日に なりました。残念ながら31日は参加できません。(その後の新聞報道で31日に無事実施されたそうです。)
冬枯れの坊がツルの景観に名残を感じつつ、三俣山へ。坊がツルからの登路は、先週の開山祭に合わせて 整備されており歩きやすくなっています。それでも、急登で滑りやすい登路には閉口しますが、坊がツルから 1時間半弱で三俣山南峰に着きます。三俣山ではヘリを使って機材を運搬し、地震計を設置する工事が 行われています。西峰のすがもり越側の斜面に設置されるようで、基礎工事を行っていました。山頂を渡る風は まだまだ冷たく、平地の桜に慣れた身には多少つらさも感じるものの、遅い九重連山の春の訪れを実感できる 一日でした。

2002年4月
【4月6日】野焼きを終えた坊がツル

4月6日の九重連山は曇のち雨。朝から雲が多く、時折小雨が降る状態で天候は下り坂です。午前9時頃には 一時雲も薄れ、薄日も差していましたが、風は強く西からは暗雲が迫ってきます。天候に不安を感じつつ、 急ぎ足での山行となりました。
坊がツル付近は野焼き後1週間経っていますが、まだ焦げ臭さが残っています。一面の枯れ野が黒々とした 大地に姿を変え、1月もすれば淡い新緑に覆われるようになるわけで、昔は坊がツルにも牛を放牧していた ということですが、黒々とした大地が緑に覆われる頃には、そのような光景も似合いそうです。
天候が徐々に悪化し始め一段と風が強くなったため、坊がツル周辺を撮影した後、早々に下ってきました。 下り着いた午前11時頃からは本格的な雨になり、野焼きを終えた大地に息吹を吹き込む恵みの雨となりました。 長者原のタデ原付近でも野焼きを終えており、木々の新芽も顔をのぞかせ、九重連山でも本格的な春を感じる ようになりました。

【4月13日】野焼き後の下泉水山麓に咲くキスミレ

4月13日の九重連山は晴。暖かな日差しに包まれ、いよいよ春も本番にさしかかろうとしています。 三俣山西峰斜面には、地震計と中継局を兼ねた観測点が完成しています。JRC(日本無線)のマークが あり、無線機をいじっていた頃を懐かしく思い出しました。
南峰から坊がツルへ下りました。坊がツルは日だまりで、四季を通じ九重連山のオアシスです。これから いよいよ春本番を迎え、日一日と暖かくなっていく九重連山を楽しめることでしょう。

【4月28日】新緑輝く男池付近の黒岳原生林

4月28日の九重連山は曇。幸い雨は降らなかったものの、各山頂付近はガスに覆われています。男池から天狗岩を 目指すと、黒岳原生林はまぶしいばかりの新緑で、視界は蛍光色の緑が覆い尽くします。男池から奥ゼリを経て 風穴まで、輝く新緑と、咲き始めたシャクナゲと、足もとに散るオオカメノキの白い花が登路を飾ります。 黒岳山開きが開催されたようで(詳細は不明ですが・・)、黒嶽荘から前岳付近はかなりのにぎわいだった ようですが、男池からのルートは天候も今一歩ということもあり、野鳥の声を聞きながら、のんびりとした 山行が楽しめました。黒岳原生林も緑輝く春本番を迎えましたが、風穴にはまだかなりの氷が残っていました。

2002年5月
【5月3日】ガスかかる坊がツル

5月3日の九重連山は曇。雲は多いものの午前中は青空が見える状態でしたが、九重連山中央部付近の山頂は ガスがかかっていました。このような時でも、坊がツル付近はガスがかかっていないことも多いのですが、 さすがに午後から天候が崩れるという予報が出ているだけあり、坊がツルもガスに覆われていました。それでも 連休ということで、多くの登山者が訪れています。道々ではスニーカーに簡易な雨具姿の人から「法華院温泉山荘 まではあとどれ位かかりますか?」という質問もかなりあり、軽装でも山行ができる季節の訪れを実感しました。 ガスに覆われた坊がツルでしたが、キャンプ場ではテントが次々と設営されていました。天候が下り坂という中でも 野営を楽しむ人たちには敬服です。雨の中での撤収は結構辛いものがありますからね・・。

【5月11日】群生する坊がツルのイワカガミ

5月11日の九重連山は曇。朝はガスに覆われていましたが、午前9時過ぎから山頂付近のガスも時折切れ始め ました。大船山頂からはガスの切れ間から久住町方面の眺望が楽しめました。終日山頂付近には ガスがかかる状態でしたが、時折顔をのぞかせる日差しにすっかり日焼けしてしまいました。
法華院温泉山荘付近では日当たりが良いためかミヤマキリシマが花芽を随分ふくらませています。 早い株はすでに開花していますが、1週間後にはかなりの株が咲きそうです。大船山の段原方面は花芽が ふくらみかけているところですが、こちらは開花まではまだ3週間程度かかりそうです。すでに花芽を食い荒らす 虫が発生しており、昨年もそうでしたが、開花前にかなりの株が花芽はもとより葉も失いそうで残念です。 今年はミヤマキリシマは裏年ですが、段原から北大船付近は花芽も多く、このまま虫害を免れれば見応えが ありそうなのですが・・・。
大船山は輝く新緑に覆われ、ムシカリ(オオカメノキ)の白い花が点々と山肌に咲き、イワカガミがつぼみをつけ、 ミヤマキリシマの花芽も徐々にふくらんでおり、1年間で最も山が彩りを増す季節を迎える準備が整ったようです。

【5月21日】坊がツルのマイヅルソウ

5月21日の九重連山は晴。早朝は多少薄雲がかかるものの、おかげで朝露もなく、足下は軽快です。 さすがにこの時期は平日にもかかわらず(私もそうですが・・)多くの登山者が訪れています。早朝入山し、 群生地のミヤマキリシマ様子を見てきました。残念なことですが、今年も虫害がひどく、平治岳から北大船に かけては、ほぼ壊滅状態です。虫害を受けた株は、枯れたように樹勢を失い、ほとんど食い荒らされた葉が 哀れです。遠くからもはっきり分かるほど茶色く変色しています。せめて残った花芽がきれいな花を咲かせて くれればと願うばかりです。
法華院温泉山荘玄関前の新築の渡り廊下に、山荘スタッフの川上さんの写真展示中。 川上さんのホームページに掲載されていたので、 早速鑑賞に寄らせてもらいました。法華院に住んでいるここと併せ、さすがにプロの写真はひと味違います。 ホームページにも掲載されていますが、山荘のギャラリー?で鑑賞するのもお勧めです。偶然山荘裏で 昼休み中?にミヤマキリシマを撮影中の氏に会いましたので、リンクをお願いしてきました。

【5月25日】緑濃い晩春の坊がツル

5月25日の九重連山は快晴。早朝から雲一つない青空が広がりました。この時期には耳にする機会も 少ない放射冷却のためかか、大船林道から坊がツル周辺には霜が降りていました。大船山から平治岳にかけては ミヤマキリシマを鑑賞するために訪れた人でにぎわいます。正午前には相当な人出が予想されましたので、 早々に坊がツルに下ってきました。それでも午前11時前には坊がツルも多くの登山者が押しかけ、バスを チャーターして来た思われる団体とも次々にすれ違い、登山道は混雑していました。山開きを来週にひかえ、 この時期の九重連山は一年間で最もにぎわいを見せます。虫害を受けた株は多いものの、ゆっくりと ミヤマキリシマ鑑賞を楽しむのであれば、平日に有給休暇を使って早朝から入山したいですね。(笑) 平治岳方面に出かけた人の情報では、虫害はひどいものの、花は6分咲き程度だそうです。北大船周辺に 比べれば虫害を逃れた花が残っているようです。
吉部から入山しましたが、登山道入り口付近には、登山者の車の回送を請け負う業者が管理する有料の 駐車場があり、相当数の車が駐車できるようになっています。吉部からのルートは、坊がツルへのアプローチでは 最短距離になると思いますので、このところ利用する人も増えてきましたが、このような駐車スペースが できたために、林道脇に道路をふさぐように駐車していた車も減り、混雑解消に一役買っているようです。
次週の「くじゅう山開き」へは友人数人と出かける予定です。ここ数年の年中行事でして、山頂での神事が 終わり次第、坊がツルで宴会です。(笑)見かけたときは気軽に声をかけてください。


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