2003年 冬

四季のトップへ /  /  夏 /  / 冬

2003年1月
【1月11日】氷結する坊がツルの炊飯場

2003年1月11日の九重連山は曇。午前9時頃の飯田高原付近の気温は1℃。暖かな朝です。予報では 午後から天候も回復するとのことでしたので、今年初の山行は、昨年末からの懸案でありました大船山へ 向かいます。各山頂は雲に覆われた状態で、すがもり越付近も霞んでいましたので、雲がかかっていない吉部 から入山。暮雨の滝付近の積雪は数cm程度です。葉を落とした木々の枝間から時折日が差し、快適に歩けました。 坊がツルはかなり雪も融けています。相変わらず各山頂付近には雲がかかっていましたが、天候の回復に期待し、 大船山へ向かいました。登路の積雪は10cm程度です。
段原付近は地面が露出しています。風が強くあまり積雪しない場所でもあり、先日来の晴天ですっかり融けて しまったようです。段原から大船山頂にかけての登路は、吹きだまりになっている場所が多く、30cm以上 雪があり、膝上まで埋もれる場所もかなりありました。多い時は腰上まで埋もれるほど積雪することもあり ますので、それでもまだ今日の雪は少なめです。山頂もほとんど雪はありません。しかしながら、天候は回復する 気配もなく、ガスに覆われた山頂は視界も開けません。1時間程度待機しましたが、雲は切れず時折粉雪も舞う 状態になり、やむなく下りました。このような天候でしたが、山頂で待機している間にも20人程度が次々と山頂へ 登ってきました。坊がツルに下った午後2時過ぎには、キャンプ場周辺でも時折粉雪が舞う状態になっては いましたが、すでにテントが2張り張られていました。吉部へ下る途中でも野営の装備を担いだ人にすれ違い ましたので、今夜は冬の野営を楽しむグループでにぎわいそうです。

【1月18日】三俣山西峰付近の霧氷

1月18日の九重連山は快晴。午前9時頃の長者原付近の気温は3℃。暖かな朝になりました。朝方は各山頂付近 にガスがかかっていました。予報では、午後にかけて天候は良くなっています。しばらく待機し、午前10時前に ガスも切れ始めましたので、大曲から入山しました。実は先週中頃から少々風邪気味で、今日は三俣山往復で早々 に切り上げて帰宅することにしています。巷ではA香港型なる流感が猛威を振るっており、このようなやっかいな ものに罹患すると、これはもう山行どころではありませんが、幸い?軽度の風邪のようであります・・・・。
すがもり越までの登路も雪は少なくなっていますが、それでもまだ地面が露出している所の方が少ない状態です。 すがもり避難小屋は内部に雪が入り込んで、ベンチが埋もれていました。屋根だけで吹きさらしですから仕方が ないわけですが、避難小屋としての機能が果たせるのか、少々疑問です。三俣山では日当たりの良い南側斜面は雪も 融けてぬかるんだ登路が続きます。快晴で風も弱かったのですが、さすがに西峰山頂付近から南峰までは、冷たい 風が吹きつけ、登路は雪に埋もれ、低木には霧氷が付いています。4峰の岩陰で風を避けると、日当たりも良く寒さを 全く感じないほどでした。
今日は日中の気温はかなり上昇したようで、登路では汗ばむ程でした。厳冬期でも天候が良く風が弱い時は、少々 気温が低くても体感気温は高くなり、寒さを感じることはありません。それでも今日のように暖かな日であっても、 山頂付近や稜線では冷たい風が吹き、軽装では辛い思いをしますので、少々気を付けた方が良さそうです。

【1月25日】雪深い天狗ヶ城北斜面

1月25日の九重連山は晴。午前9時頃の長者原付近の気温は−3℃。水分峠から県道11号はチェーン規制が出され、 断続的に圧雪路になっています。長者原から牧ノ戸峠にかけては完全な圧雪路でしたが、新雪が踏み固められた状態で 走りやすい雪道です。
午前中は快晴で、雲一つない晴天が広がりました。予想どおり牧ノ戸峠駐車場は車が多く、登山者はもとより沓掛山付近の 霧氷目当てのカメラマンが多数訪れていました。登路の積雪は20cm程度で、雪は踏まれて締まっており、大変歩きやすく 感じました。さすがにこのルートはいつもながら登山者も多く、久住分れから久住山頂にかけては今日も登山者の列ができて いました。御池には雪が積み、ここが池であることすら判らなくなっています。恐る恐る足を踏み入れる登山者もいましたが、 今なら全く心配なく中央部を横断できます。積もった雪が堅く締まり、ほとんど滑らないのも助かります。中岳山頂もガイドに 引率された団体さんが訪れ、にぎわっていました。
帰路、午後2時過ぎに西千里浜で九重の四季のHPを運営されている 木下さんに偶然会い、しばし歓談。HPを見ていただいているという福岡から来られていた方にも声をかけていただきました。
午後からは徐々に雲も出てきましたが、晴天に恵まれ、ほぼ無風という好条件。加えて、美しい雪景色を堪能できた一日でした。 帰宅してから気づいたのですが、今日はかなり日焼けしていました。

2003年2月
【2月1日】氷結する御池

2月1日の九重連山は曇。県道11号は長者原から牧ノ戸付近までチェン規制が出され圧雪路が続きます。午前9時前 の牧ノ戸峠の気温は−5℃。今回も先週に続き牧ノ戸峠から中岳方面を歩いてきました。当初は大曲から入山し、 三俣山から法華院方面へ向かう予定でしたが、大曲の駐車スペース入口に道路を除雪した雪が積んでおり、乗り入れにくく なくなっていたため、そのまま牧ノ戸峠まで登ってしまった次第です。
午後から天候も回復するとの予報ですが、あいにく午前中は各山頂付近で断続的にガスがかかる状態でした。牧ノ戸峠は、 今日も雪景色を撮影する人達が押し寄せ、終日沓掛山周辺は三脚を担いだカメラマンでにぎわっています。 登路の積雪は、10cm〜20cm程度で、西千里浜や久住分れ付近では凍り付いた地面が露出し、先週より積雪は かなり少なくなっています。雪は締まり歩きやすいのですが、地面が覗く場所では、融けた雪が夜間に氷結したようで、 氷原と化しており、大変滑りやすい状態です。うっすらと雪が積む場所でも、雪の下は一面氷という場合もあり、要注意です。
次週2月7日(金)〜9日(日)にかけては「九重氷の祭典」が長者原付近で開催されます。会場付近では準備が 始まっています。今年はこれまで例年以上に寒さが継続していますので、雪や氷の確保も十分にできるのではない でしょうか。次週もほどほどの積雪があって、祭典当日の長者原付近が雪景色になっていれば、雰囲気は最高です。 九州で開催される「氷の祭典」ですからこそ、今年も多くの方に楽しんでもらえることを期待しています。

【2月8日】薄雪の西千里ヶ浜(すがもり越下にて)

2月8日の九重連山は雨。午前9時の長者原付近の気温は6℃と、かなり高めです。午前7時頃の自宅付近が9℃ でしたので、微妙なところではありますが、九重連山では少なくとも山頂付近は雪ではないかという予想で自宅を 発ちました。しかし残念ながら雨です。
午前9時過ぎに大曲から入山。天候もすぐれないため短時間の山行です。すがもり越付近にさしかかる頃には徐々 に雨脚も強くなり、合羽のズボンも着用しました。北千里浜東端から法華院への下りは例年になく積雪も多めで、 膝上まで埋もれる場所もかなりあります。徐々にガスが濃くなり始め、法華院山荘へ着く頃には雨も本降りとなり 坊がツル付近も見渡せなくなりました。法華院山荘の水場でしばらく休憩してから早々に下りました。
長者原では「九重氷の祭典」が開催されており、かなりの観光客が訪れているようでした。今日はあいにくの雨天 ですが、明日は晴れてくれそうです。私も、好天であれば山を下った後に会場を見学する予定でしたが、さすがに 雨の中での雪像鑑賞はいかがなものかということで、見学しないまま帰路へついた次第です。 2月初旬といえば、まだまだ厳冬期であります。しかし、暦を追うように徐々に雪が雨に変わり、冠雪した山々の 頂も少しずつ地面を見せ始める時期でもあります。3月までは、寒波の訪れで一夜にして厳冬の雪景色に姿を変える ことも多いのですが、それでも九重連山を渡る風に、わずかながら春の香りを感じた一日でした。

【2月15日】雪残る三俣山から由布岳を望む

2月15日の九重連山は曇のち雨。午前9時頃の長者原付近の気温は4℃です。予報では徐々に天候も下り坂という ことでしたが、午前9時頃には青空も見られ、時折雲間から薄日も差す天候でした。思いの外天候の悪化は遅くなる のではないかという思いで、長者原付近で時間をつぶしすぎ、取り付きは10時を過ぎてしまいました。また短時間 の山行です。
先週の雨で登路の雪はかなり少なくなっており、今日の登路は地面が露出している場所の方が多くなっていました。 登路は圧雪した場所と霜柱が覗く場所が交互に現れる状態です。暖かいとはいえ、さすがに夜間は気温も氷点下まで 下がるようで、氷結し堅く締まった路面が多く、ぬかるんだ場所は少なめでした。三俣山南峰で休憩中の正午過ぎに は、粉雪が舞い始めました。徐々に雪が本降りになり始めましたので、早々に下ることにし、急ぎ足で下り終えた 14時頃の長者原付近は雨です。その後急激に雨脚が強まり、本降りになりました。
2月も半ばを過ぎ、山面を渡る風も徐々に暖かさを増しており、九重連山もいよいよ晩冬を迎えたようです。まだ 寒波の訪れで一気に厳冬の装いに姿を変える時期ではありますが、それにしても、気のせいか昨年以来季節の訪れが 少々早くなっている気がしています。

【2月21日】融け始めた御池

2月21日の九重連山は晴。午前9時頃の牧ノ戸峠の気温は−2℃。幸い平日に山行ができ、しかも明日22日から の週末は雨という予報でしたので、幸運です。県道11号はチェーン規制で、断続的に圧雪路が現れます。先週以来 暖かな天候が続いており、一昨日の雪で一夜にして圧雪路になったためか、スタックしたトラックや路肩に放置された 車もありました。3月までは、まだ雪に見舞われることもありますので、注意が必要です。
牧ノ戸登路の積雪は30cm程度です。かなり風が強かったようで、久住山周辺まで、吹きだまりになっている場所と、 雪が飛ばされ地面が覗く場所が交互に現れます。吹きだまりの場所では膝上まで雪に埋もれ、地面が現れている場所は 午後にかけ気温が上昇したため、ぬかるんで歩き辛い状態です。扇が鼻分岐付近や星生崎下では膝上まで雪があり、 久住分れ付近は雪もなくぬかるんだ状態です。久住分れから御池へ向かう登路は、腰まで雪に埋もれる場所もあり ました。
御池は融け始め、かなり湖面が見えるようになっています。快晴の空と、融け始めた御池と、そして澄んだ水面に写る 周囲のピークの姿は一見の価値があります。撮影や昼食などで、結局2時間近く御池湖岸で晩冬を堪能しました。 御池を渡る風は春の気配を感じさせ、天候が良かったこともあって、確かな季節の移ろいを実感した晩冬の一日でした。 今回の山行で九重連山の冬便りは終了です。次回の山行は、いよいよ3月。少々早目ですが、浅春の情報をお届け できそうです。

2003年12月

【12月6日】鳴子川初冬

12月6日の九重連山は曇のち雨。午前9時過ぎの長者原付近の気温は10℃。今週もこの時期としては大変暖かです。 山頂付近には雲がかかっていますが、午後にかけ回復傾向という予報です。雲の切れ間から薄日も差し、天候の回復を 疑うこともありませんでした。
午前10時前に吉部から入山し、時折薄日が差す大船林道を平治岳へ向かうことにします。今年はこの時期でも異常に 暖かく、冬景色を目にすることもなく少々退屈しています。そのようなことで、これまで使ったことがない平治岳北登山口 から山頂へ向かいます。予想に反し、徐々に天候が崩れ始め、山頂の手前で雨具を着用しなければならないほど雨が降って きました。雨水をたっぷり含んだクロボクの登路は滑りやすく、これにはもう閉口します。それでも吉部登路入り口から 1時間40分で山頂へ着きました。
山頂付近はガスに覆われ、強い風と横殴りの雨にが吹き付けます。とてもではありませんが、カメラをザックから出し て撮影する気にもなりません。大戸越へ下り、坊がツル避難小屋まで大急ぎで下りました。雨の坊がツルへは訪れる人も なく、少々寂しくなります。避難小屋で待機すること1時間。天候は回復せず、雨が小降りになったのを見計らい山を 下りました。吉部登路入り口へ戻るまで、今日は終日誰にも会うことがありませんでした。
明日は天候も回復し、冷え込むそうです。冬景色も楽しめるかも知れません。しかし、朝の薄日差す空を目にすると、 今更一日待つ気にもならず、久々に雨天を押して歩くことになってしまいました。さすがに週末2日続けての山行という のは、よほど暇な時期でなければ無理ですので、やはりもう一日我慢すべきだったかと・・。

【12月18日】薄雪の中岳の向こうに望む大船山

12月18日の九重連山は晴。午前9時過ぎの牧ノ戸峠の気温は−3℃。やっと冬らしい天候になりました。周囲の 山々は霧氷に覆われ、牧ノ戸峠付近の道路脇にもうっすらと雪が残ります。20日(土)には九重スキー場もオープン します。いよいよ九重連山も冬モードです。
気になる御池の氷結具合を確認すべく、牧ノ戸峠から中岳方面へ向かいます。登路の積雪は3cm程度で、所々地面が 覗く場所もありますが、おおむね雪に覆われ、この冬初めての雪の感触を楽しみながら快適に歩けました。周囲の木々 には霧氷が着き、岩氷が岩を覆い、すっかり冬景色です。遅れていた冬がやっと訪れた気がします。
御池は残すところ1平方メートル程度で、ほぼ氷結していました。なぜか湖面に石が載っています。今日も訪れた人が 氷結具合を確かめるべく石を投げているのです。夜間に凍り、昼間に融ける平地の池と違い、御池はかなり長期間氷結 しますから、載った石はそのまま残ります。どう見てもすぐれた景観とは思えないのですが・・。山頂標識に着いた 霧氷をはがす人あり、御池に石を投げる人あり、自然の事象をそのまま残すことはやはり難しいようです。
ひとまず2週ぶりの山行は晴天に恵まれ、神々しいばかりの雪化粧した山々を楽しんできました。明日からこの冬一番 の寒波の襲来で、平地でも雪が降りそうです。

【12月23日】三俣山本峰から望む大船山

12月23日の九重連山は快晴。午前9時過ぎの長者原の気温は3℃。一転して暖かな朝となりました。水分峠からの 別府阿蘇道路はチェーン規制が出されていますが、路面の雪はほとんどありません。しかしながら夜間には氷点下 まで冷え込んだため、凍結している場所もあります。先週末の寒波で九重連山はすっかり雪景色です。それでも昼間は 気温も上昇し雪も融けます。登路には地面が覗く場所もありますが、踏み固められた雪の上を快適に歩けました。
すがもり越から三俣山へ向かいます。振り返ると薄雪のすがもり越の向こうに一段と白く噴煙を上げる硫黄山が、そして 薄雪の北千里ヶ浜の向こうに雪景色の久住山が輝きます。西峰へ登ると山頂付近を渡る風はさすがに冷たく、凍て付く 寒さです。本峰付近は登路も雪も膝下まである場所もあり、雪原が広がります。風を避けて岩陰に入ると、快晴の日差し も暖かく感じます。W峰付近でしばし休憩し、周囲の景色を楽しみました。
冬至も過ぎ、いよいよ九重連山も冬本番を迎えます。寒さが最も厳しくなるのは1月下旬になります。今年の冬は暖冬 傾向という予報ですが、予報が的中するかどうか気になるところです。週末は再び寒波の訪れが予報されており、 吹雪の山行となるかも知れません。今年の山行も次回が最後になりそうです。

【12月28日】積雪した沓掛山から阿蘇を望む

12月28日の九重連山は快晴。午前9時頃の牧ノ戸峠の気温は−6℃。凛とした朝の清冽な空気に包まれた牧ノ戸峠 には、今日も多くの登山者が訪れています。水分峠からの別府阿蘇道路には、所々圧雪している場所があり、チェーン 規制が出されていました。それでも、長者原駐車場には今日も多くの車が駐車し、入山する人が続きます。
今年最後の山行は、例によって牧ノ戸から中岳方面です。冬季は氷結した御池や冠雪した久住山・中岳の景色が見栄えが するため、どうしてもこのルートに偏りがちです。毎年のことですが、初夏のミヤマキリシマや秋の紅葉シーズンは 大船山方面が主体、冬季は中岳・久住山周辺が主体の山行となっています。九重連山へ来られる大方の登山者の関心も そうでしょうし、私もまた何となく足が向いてしまうのです。
沓掛山に登ると、空気は澄み渡り、遠く阿蘇がはっきりと見渡せます。阿蘇中岳から昇る噴煙もきれいに望めます。 積雪は5〜6cm程度と少なめですが、昨日から多くの登山者が訪れたとみえて、登路は適度に圧雪しており快適に歩け ます。雲一つない快晴の空の下、外輪山の向こうに阿蘇を望みながら、今回も含め3回続けて快晴の山行ができました。 中岳付近で、いつもホームページを訪問いただいている方からお声がけをいただき、情報交換もさせてもらいました。 そんなことで、雪化粧した九重連山の眩しい景観を十分楽しむ事ができ、今年最後の山行を終えることとします。


四季のトップへ /  /  夏 /  / 冬