2004年 冬

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2004年1月
【1月3日】三俣山登路から星生山を望む

2004年1月3日の九重連山は晴。午前9時頃の長者原付近の気温は0℃。新年初の山行は前回に引き続いての快晴 に近い晴天です。朝は各山頂付近に雲がかかっていましたが、10時前には晴れはじめ、正午頃には雲もほとんどない 青空が広がりました。 年始にもかかわらず、今日も多くの登山者が各登山口から入山していきます。元旦の早朝には初日の出を鑑賞?する (「拝む」というほど信仰的な意図はないと思いますので・・)方もかなりいたのではないかと思います。私なんぞは、 性懲りもなく元旦の朝から大晦日の深酒がたたり爆睡し、昼前に起き出す始末であります。その後、酔い覚ましも兼ね て3km離れた神社まで、重い頭を抱え歩いて初詣に出かけるという不謹慎きわまりない元旦を迎えたところです。(苦笑) 1月3日の予定が急遽空くことになり、今年初の山行に出かけてきました。前回より雪も少なめでしたが、山頂付近は 雲がかかっていたため、霧氷が楽しめるはずです。すがもり越から三俣山へ向かいます。予想どおり山頂付近は見事な 霧氷に覆われています。西峰から各ピークを経由し南峰へかけて、薄雪の登路を霧氷を楽しみながら歩いてきました。 さすがに山頂付近は凍てつく寒さですが、風をさけ日差しのある岩陰に入ると暖かく感じます。南峰の坊がツルが 見下ろせるお気に入りの場所で大船山を眺めながらしばし休憩した後、山を下りました。

【1月10日】霧氷に覆われた大船山頂

1月10日の九重連山は晴。午前9時頃の飯田高原の気温は3℃。暖かな朝になりました。朝は山頂付近にガスが かかっていましたので、ガスが切れ始めるのを待ち、午前10時前に吉部から入山しました。坊がツルまでの登路 には、踏み固められて圧雪した場所があります。今日は気温が高く表面が融け柔らかくなっていたので比較的楽に歩け ましたが、気温が低ければ氷結し滑やすくなります。
段原から山頂にかけての登路は、樹下には雪が積もり灌木を霧氷が覆います。大船山は樹木に覆われているため、中岳や 三俣山方面から望むと、雪があるようには見えないのですが、特に山頂北斜面の登路では、吹きだまりになっている場所 があり、厳冬期には腰上まで雪があることも少なくありません。山頂付近ではさすがに凍てつく寒さです。 冬季の大船山は訪れる人も少なく静かな山行が楽しめます。
坊がツルへ下り休憩し、14時過ぎに山を下る頃には、野営の装備を担いだ登山者が次々と到着し、冬の野営を楽しむ 登山者のテントが張られていました。厳冬期に野営を楽しむ人々には全く敬服するばかりです。

【1月17日】沓掛山から望む厳冬の日没

1月17日の九重連山は曇のち晴。午前12時頃の牧ノ戸峠の気温は−1℃。昨夜来の雪で、通常1時間30分程度の 道程が、何と4時間近くかかってしまいました。
午後からの天候の回復に期待し、ガスが切れ始めた13時頃に入山しました。登路の積雪は30cm程度ですが、 吹きだまりも多く、踏み込むと腰元まで雪が積もっている場所もあります。膝上まである雪に足をとられ、時折腰まで ある吹きだまりに埋もれながら、久住山を経由して御池に向かいます。湖面は完全に氷結し、ここに池があることが わからないほど雪が積んでいました。すでに午後3時を過ぎ、訪れる人もほとんどありません。踏み分けが全くない 雪原の向こうの中岳が、いつになく遠く感じ、今回は手近な天狗ヶ城へと雪をラッセルしながら登ります。上空に雲も なく遠く祖母・傾方面や由布岳がはっきり見渡せます。しばらく眺望を楽しんだ後、山を下りました。
沓掛山頂に着いた頃にはすっかり日も傾き、まもなく日没を迎えようとしています。雪景色の九重連山が夕日に染まり ます。日没を撮影し、牧ノ戸峠に18時過ぎに帰着しました。

【1月24日】氷結した暮雨の滝

1月24日の九重連山は曇のち雪。午前9時頃の飯田高原の気温は−5℃。水分峠から飯田高原にかけては圧雪路が続き、 道路脇には除雪した雪がガードレールを覆い隠すほど残っています。午前中は時折雲の切れ間から青空も望める状態でした が、午後にかけて雲に覆われ、断続的に雪が舞う天候となりました。
暮雨の滝の氷結具合を確かめるべく吉部登山口から入山しました。登路の積雪は40cmを超え、先行者もなく、新雪 が積む登路を、膝上まである雪をラッセルしながら暮雨の滝へ向かいます。雪の重さで倒れた木や、雪をかぶった枝が ザックにかかり歩きにくく、触れた木の枝に積雪している雪が全身に降りかかり雪にまみれます。暮雨の滝はあとわずか で完全に氷結しそうな状態で、滝壺も3分の2程度は氷結しています。これからの寒波の襲来で一気に氷結することに なるのか、気になるところです。
坊がツルを経由し、法華院山荘へ着く頃にはすでに正午を過ぎていました。法華院山荘の休憩所を借りてしばらく休憩 した後、坊がツル野営場の積雪の状況を確かめてから山を下りました。午後からも断続的に雪が降る天候が続き、下り 終えた16時前の吉部付近の気温も−5℃程度でしたので、終日気温があまり上昇しないまま寒い一日となったようです。

【1月31日】西千里浜の向こう望む久住山

1月31日の九重連山は快晴。午前9時頃の長者原の気温は−1℃。すがもり越周辺の登路は踏まれて圧雪した雪に覆われ ています。かなり融けてはいますが、それでもまだ30cm程度の積雪です。すがもり越からの三俣山登路では、南側の 日当たりがよい場所では一部地面が覗いている場所もありますが、先行者のトレースを踏み外さないように慎重に歩く方が 賢明で、三俣山西峰山頂付近でも、トレースのない雪原に踏み込むと腰まで雪に埋もれる場所も多いようです。
西峰から本峰へ先行者が数人いましたので、比較的楽に歩けました。本峰下からW峰へかけてはトレースがなく、膝上 まである雪をラッセルして歩きます。山頂付近は意外なほど雪が少なく、地面が覗いている場所も多いのです。風が強く あまり雪が積もっていなかったことに加え、晴天で融けてしまったものと思われます。先行者のトレースを慎重に たどりながら、南峰へ向かいます。南峰下は雪が深く、ここでも腰まで埋もれる場所があります。南峰には先行の4名 の熟年グループが休憩中でした。山頂南側の坊がツルや大船山が眺望できるいつもの場所で休憩をし、雪景色を堪能した 後に山を下りました。

2004年2月
【2月7日】厳冬の星生山

2月7日の九重連山は雪。午前11時頃の牧ノ戸峠の気温は−8℃。再び寒波の襲来で冷え込み、積雪も続いています。 登路の積雪は30〜40cm程度ですが、稜線付近では、ほとんど積雪していない場所と1m以上の吹きだまりが交互 に現れる状態です。気温が低く雪質はパウダースノーに近いため、強い風にあおられ、ブリザードのような地吹雪が強烈 に吹きつけます。全身雪にまみれ、ホワイトアウトの登路で立ち止まりながら、久住分かれの避難小屋に一時待避しました。
吹雪が小康状態になったのを見計らい、断続的に降る雪と地吹雪で先行者のトレースも完全に消えてしまった登路を、 御池に向かいます。天狗が城下付近では積雪が1mを超える場所もあり、さすがに腰上まで雪に埋もれると抜け出す のに苦労します。完全氷結した御池を渡り、池の小屋で天候の回復を待ち1時間ほど待機しましたが、天候は回復しない ままでした。帰路も断続的に吹雪が続き、1時間前に歩いた自分の踏み分けも消えてしまった登路を下りました。

【2月14日】雪の北千里ヶ浜(すがもり越下にて)

2月14日の九重連山は曇。午前9時頃の長者原付近の気温は4℃と高めです。例年より早く、春を告げる「春一番」も到来し、 長者原付近は強烈な風が吹いています。
すがもり越付近の積雪もかなり減っていますが、相変わらず、すがもり避難小屋は内部が雪に埋もれています。すがもり越では 強い風が吹き、見上げる三俣山はガスがかかり、強烈な風が唸りをあげています。結局、風を避けるように北千里ヶ浜へ下り、 坊がツルへ向かいます。北千里ヶ浜から法華院温泉山荘へかけての登路は例年どおり雪が深く、先行者のトレースが消えている 場所もありました。
しばらく坊がツル野営場で休憩しましたが、周囲の山からは強烈な風で木々が唸りをあげている音が聞こえてきて、山頂付近 は相当強い風が吹いていることが分かります。天候も徐々に怪しくなってきましたので早々に山を下ります。大曲に着いた 12時過ぎ頃の気温は6℃で、この気温では雪は降らず雨となります。間もなく大粒の雨が降ってきました。折しも長者原付近 では「九重氷の祭典」が開催されており、昨年に続き開催期間中に雨天となりました。会場周辺のフェンスの氷も融けており、 哀れというか哀愁すら感じさせる状態です。これが、あと1週間早く開催されていれば、−10℃近い冷え込みも手伝い、 文字どおり氷の祭典となったのではないかと思います。

【2月21日】春を待つ星生山

2月21日の九重連山は晴。少々雲が多めです。午前9時過ぎの牧ノ戸峠付近の気温は8℃と、春を思わせる陽気です。 先週以来季節はずれの陽気が続き、九重連山を渡る風も春を思わせる暖かさです。
樹木が茂る場所がない久住山周辺の登路では、一段と雪が融けており、雪が残る場所と地面が覗く場所が交互に現れます。 雪は深く、膝上まで埋もれる場所も多いのですが地面が覗く場所は氷結していた表土が融けて泥濘地と化しており、足首 まで泥に埋もれる場所もあります。夏季の雨でぬかるんだ状態とは比べものにならないほど、地面の深い場所までぬかるん でおり、歩きにくいことこの上ない状態です。
久住分れの避難小屋前には小川ができていますが、久住分れから中岳方面にかけてはまだ雪が深い場所も残っています。 意外にも御池はこの暖かさにもかかわらず氷結したままです。暖かい日が続いたとはいえ、まだ冬が続いていることを 感じさせる光景です。周囲の山は、南側の斜面では雪がかなり融けていますが、北側には吹きだまりものこり、腰上まで 埋もれる場所もかなりあります。
天狗ヶ城を経由して、風も弱く春を思わせる暖かな日差し包まれた御池の岸でゆっくり休憩した後、山を下りました。

【2月28日】マンサク咲く

2月28日の九重連山は曇。午前9時過ぎの長者原付近の気温は5℃。晩冬を迎え、春を思わせる陽気が続いています。 今年の冬を振り返ってみると、雪も多めでしたが1月中に何度か集中的に降った印象があり、それ以外は、比較的暖か だったのかも知れません。事実この2月は、平地でも記録的な暖かさだったそうです。この暖かさで積雪が一気に融け、 気のせいか春の訪れが早いような印象を受けます。それでも3月中には、まだ何度か積雪することもあるでしょうから、 このまま、すんなりと春爛漫という訳にはいかないのが九重連山の季節の移ろいの妙であります。
すがもり越から三俣山の各ピークをたどります。山頂付近の積雪も激減しています。風が強めでしたが、冷たさも厳冬期 とは一線を画すもので、春の訪れが近いことを予感させます。風を避けると比較的暖かで、時折雲間から差す陽を浴び ながら、4峰の岩陰でゆっくり休憩し、冬の余韻を楽しみました。
春を告げる長者原のマンサクが咲きました。ビジターセンター前とレストハウスの前にあるマンサクの木は周囲の山々の自生 する木よりも早く開花します。今年もきれいな花が咲いています。次回の山行では九重連山の初春の便りをお届けできそうです。

2004年12月

【12月5日】三俣山の霧氷

12月5日の九重連山は曇。午前9時過ぎの長者原付近の気温は3℃。長者原に着いた9時過ぎ、駐車場も閑散として おり、一時の喧噪が信じられないほどの静けさが戻っています。あいにく山頂付近はガスに覆われていますが、ガスが 切れると山頂付近には霧氷が着いているのがはっきりとわかります。
12月にしては気温も高めですし、午後から晴れてくるという予報でしたので、大急ぎで三俣山頂へ向かいます。この時期 の霧氷は美しくも繊細で、気温が高い時は日が差し始めるとすぐに消えてしまうのです。すがもり越から西峰へ登り、 W峰から南峰へ向かいます。時折青空が覗きますが、それも1分程度で再びガスに覆われる状態でした。
山頂付近は強い風が吹き、木々は霧氷に覆われています。山頂付近の気温は氷点下ですが、厳冬期のように痛みを感じる ほどの寒さではありません。
山頂からすがもり越へ下ると、随分と暖かく感じます。午後からも雲は多めでした。やっと冬景色になり、少々安心 しました。今年は雪も遅くなっていますが、霧氷が見られるようになり、いよいよ冬を迎えました。

【12月11日】硫黄山の噴煙

12月11日の九重連山は快晴。午前10時前の長者原付近の気温は8℃。今年は暖冬傾向という予報が早くも的中 したかのようで、初雪便りも聞かれないまま、いよいよ12月も半ばにさしかかりました。九重森林公園スキー場も 雪作りがままならないようで、果たして例年どおりオープンできるのかどうか気になるところです。
先週に続き大急ぎで三俣山へ向かいます。登路脇には霜柱で真っ白です。それにしても、本当にとても12月とは 思えない暖かさでした。南峰山頂で坊がツルを見下ろすお気に入りの場所で、しばらく休憩しました。風も弱く暖かな 日差しに包まれ、冬ということを意識しなければ実に快適です。
雲一つない快晴にもかかわらず、景色は薄く霞み、由布岳も山頂がわずかに望める程度した。山頂付近には登山者が 次々とやってきており、「天気も良くて最高ですね〜」ということですが、冬はやはり雪が降り、少々吹雪いた後の 快晴が最高なので、このように妙に暖かな状態ですと何となく物足りないのであります。

【12月18日】雨が池から望む平治岳

12月18日の九重連山は曇。午前9時過ぎの長者原付近の気温は9℃。例年になく異常に暖かく、ここ九重連山でも スキー場のオープンが延期されています。
山頂付近はガスがかかり、かろうじて雨が池付近のガスが切れている状態です。山頂へ向かってもガスで視界が開けない だけですから、長者原からタデ原木道をとおり、雨が池経由で坊がツルを目指します。長者原を起点に三俣山を一周する コースは、冬季で吹雪くときに良く歩くコースです。静かな登路では、他の登山者と出会うことも少なく、往路の坊がツル までの道程では、わずかに3人に出会っただけでした。
雨が池付近では、一時青空も覗きましたが、天候は回復することなく、断続的にガスがかかる状態が続きます。
坊がツル野営場付近も閑散としています。法華院山荘付近で、ガスの切れ間から大船山頂を望みながら休憩しました。 気温は決して低くはありませんが、日差しもなく少々寒さを感じます。
山を下った後、長者原付近を散策しました。帰路についた15時頃には一時小雨も降りました。終日雲の多い不安定な 天候でした。次週中頃には寒波も訪れるという予報です。この冬初の本格的な寒波となれば、九重連山も一気に冬景色に 変わるかも知れません。雪景色が本当に待ち遠しい今日この頃です。

【12月25日】氷結した御池

12月25日の九重連山は曇。正午頃の牧ノ戸峠の気温は1℃。ガスかかり、視界は開けません。粉雪が舞っています。 沓掛山を過ぎると一面の雪景色です。扇が鼻を過ぎると登路はすっかり雪に覆われています。積雪は2cm程度ですが、 それでもこの冬初の雪景色にしばし感動。今年は本当に雪が遅くなりました。やっと待ちわびた冬景色が目の前に広がり ます。
ガスが切れる気配もなく、西千里ヶ浜から久住分れを通り、久住山頂へ向かいます。山頂は強い風が吹いており、訪れる 人もいません。御池の氷結具合を確かめるべく御池へ向かいます。空池から天狗ヶ城下までガスに覆われたままで、周囲 の景色は望めません。御池はほとんど氷結しています。まだ氷は薄く、とても人が歩いて渡れるほどではありません。
束の間ガスが晴れ、30秒程度だったでしょうか中岳が姿を現しました。この時、中岳上空には青空も望めました。ガス は断続的に濃くなり、17時頃に山を下りました。
夜は九重連山関連のホームページを開設している諸兄と某所で鍋パーティーです。水炊きに寄せ鍋、マグロのしゃぶしゃぶ からスモークチキン、鹿刺しまで登場し、銘酒から珍酒?まで様々並び、夜の更けるのも忘れ・・・。諸兄は早朝に入山 するということです。できれば私も念願のご来光山行をと、淡い期待を抱き、焼酎やウイスキーには手を出さず、ひたすら ビールでしたが、勧められるままに飲めばビールでもやはり同じです。明日の山行より、目の前の一杯が優先するという、 ある意味刹那的な飲酒は、翌朝後悔することになるのは確実であります。

【12月26日】すがもり越から大船山を望む

12月26日朝、諸兄は朝5時前に入山したようです。私が目覚めたのは6時前で、頭が重いのは毎度同じ。正気に 戻るには、2時間以上かかりそうです。テントから出るとかじかむ寒さです。気温は−3℃ですが、シュラフの中は 暖かでしたので、この気温でも震えるほど寒く感じます。速攻で撤収し、長者原へ移動。車中で体調の回復を待ちました。
午前10時頃にはすっかり回復。何だかなー、どこにいても結局こんな時間になるのですね〜。朝日が当たりだすと 急激に気温も上昇します。霜に覆われたタデ原木道の散策を終える頃には、すでに2℃になっています。早々に帰宅しなくて はいけないのですが、快晴の空に霧氷が映える三俣山が気になって仕方なく、大急ぎで4峰まで往復しました。登路は 薄雪に覆われています。快晴の青い空に雪と霧氷の白が映え、やっと訪れた冬景色を堪能できました。すがもり越へ下った 正午過ぎには三俣山付近も時折ガスがかかるようになりました。
今年最後の山行は何だかんだいっても、結局誰も来ない久住山を訪れ、雪化粧した三俣山も歩けました。返す返すも 諸兄のご来光山行に同行できなかったのが残念でありますが、これからもこの調子?で、また来年も続けていくことに なりますので、よろしくお付き合いください。


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