2010年 夏

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2010年6月

【6月5日・6月6日】坊ガツル野営場・北大船山のミヤマキリシマ

【6月5日】
6月5日14時前の飯田高原の気温は24℃。初夏らしい好天に恵まれた絶好の野営日和?となりました。12時前に友人と合流し、山開きの私的前夜祭?の結成式を兼ねて昼食で盛り上がり、九重連山へと向かいました。今回も混雑シーズンにはお世話になる吉部の有料駐車場を利用。毎年恐ろしく混雑する山開き前後のミヤマキリシマの開花時期も駐車場所の確保が容易になったためもあって、吉部から入山する登山客が増えています。小型のバスも乗り入れるようになり、ミヤマキリシマシーズンともなると、妙齢・・・のご婦人はもとより紳士・淑女??のご高齢の団体さんも一気に増え、長蛇の列を成して歩く登路には、そこはかとなくサロンパスの香りが漂ったものです。最近は無香性の製品が増えて、この風物詩もいささか失われつつある気もしています。(笑)

野営装備を担いだ登山客の一行に紛れて行動開始。緑まぶしい鳴子川沿いの登路を快適に歩き、大船林道を経て一路坊ガツルへ向かいます。いやが上にも盛り上がる野営の宴に思いをはせ、アルコール燃料を担いだ足取りは決して軽く・・・はなくて、気持ちは昔のままでチョロいのですが、行く年波には勝てず体の方は全然チョロくないのであります。テントに宴会の食料を含めると、普段の単独野営よりはるかに重い装備でありまして、当然のことながら足取りも重く坊ガツルへ向かうことになりました。

16時頃に坊ガツル着、早速テントを設営。野営場はすでに多くのテントが設営されており、今夜の坊ガツルは賑わいそうです。同行の友人にビールの買い出しを兼ねて法華院山荘へ向かってもらい、ついでに芋の子を洗うばかりの法華院山荘の風呂で入浴するということで、軽く一汗流し、爽快な気分で野営場に戻るやいなや、夜のとばりが降り、いつの間にか宴会モードへ突入。周囲の騒々しさに負けじと、それでも良識のかけらは残しつつも、最初は静かに・・・そのうち・・・いつしか・・・と、毎度の自己嫌悪に陥る状態であります。(苦笑)

【6月6日】
6月6日、昨夜は意外に寒さもなく、夜中に目覚めたのですが、朝テントを抜け出し周囲を散策すればそれはもう快適そのものであります。午前5時前の坊ガツルの気温は8℃。日が差すようになると気温も一気に上昇します。いよいよ恒例の山開き当日を迎え、7時頃から多くの登山客が坊ガツルを訪れるようになります。

午前7時過ぎには野営場の登山客も行動開始です。毎度のこととはいえ、山頂祭が始まる10時前になると、もう段原から大船山頂付近にかけては大混雑しますから、早めに大船山に着いていなければなりません。私的前夜祭の後遺症が残り、気持ちは焦るのですが体と意識がついて行きません。(苦笑)何だかんだで出発が遅くなり、午前7時過ぎに大船山へと向かいます。

諸般の事情?で今回も山開き山頂祭の参加は止め、ひとまず北大船山へ向かいます。マスコミ関係の取材ヘリも飛び交う山頂祭は断念し、先週来の懸案でありました北大船山から平治岳(大戸越)の開花状況の確認へ向かいます。北大船から平治岳へと向かう登路も登山客が次々にやっています。すれ違いに苦慮しつつ大戸越へ下ります。
段原周辺   ・・・・咲き始め。7日から10日前後でピークを迎えそう
米窪周辺   ・・・・咲き始め。7日から10日前後でピークを迎えそう
北大船山頂付近・・・・咲き始め。7日日前後でピークを迎えそう北大船山周辺では、おおむね6月中旬がピークになりそうです。毎度のことながら、これはあくまでも私見ですので、参考程度にとどめていただければ幸いです。虫害はきわめて少ないものの、北大船山付近の一部の株には残念ながら虫害が発生してることを確認しています。平治岳南斜面の開花状況は以下のとおりです。大戸越から南斜面を見上げての確認でありますので、個人差があることはご容赦ください。
大戸越付近  ・・・・現状で8分咲き。ほぼ週前半からピーク
南斜面上部  ・・・・7日前後でピークを迎えそう
坊ガツルへ下り、昼食を済ませてからテントを撤去。暮雨の滝側の登路を吉部へと戻り、15時前に吉部へ着きました。喧噪の一日を終え、九重連山も名実ともに夏シーズンに突入です。

※6月中旬から7月まで長期出張のため山行はお休みです。

2010年7月
【7月3日】雨が流れる扇ヶ鼻手前の登路

7月3日九重連山は雨。6時過ぎの長者原の気温は20℃。先週半ばに16日間の長期出張を終え帰県。ほぼ1ヶ月ぶりとなる山行は楽しみでありますが、何より心配なのが天気です。県道11号(やまなみハイウェイ)に入り飯田高原に向かう途中で、雨も強くなり、ひとしきり強く降ってはまた止むという何とも情けない天気になりました。

長者原で一時待機。天気は何ら変わりなく、通常なら山行は潔く断念して九重連山周辺の温泉ツアーにチェンジするところですが、約1月ほど山行もしておらず、いわば飢餓状態にあるわけで、雨の中を入山してしまうというのが人情であります。早々に牧ノ戸峠に移動。ガスに覆われた駐車場は閑散としています。ガスに霞んで最初はよく見えなかったのですが、駐車場とレストハウスの間の斜面が石組みに作り替えられています。

雨は時折強くなるものの雨具を着用する程でもなく、7時前に入山。ザックにレインカバーを被せ雨をしのぎながらガスに覆われた登路を、文字どおり淡々と歩きます。周囲の景色は全く望むこともできず、登路脇に咲くニシキウツギや名残を惜しむミヤマキリシマを愛でながら西千里を通過し久住分れへ向かいます。星生崎を過ぎ、久住分れの避難小屋付近で雨が強くなり一時待避。それもすぐに止み、再びガスの中を空池から御池を経て、池の小屋をめざします。

8時過ぎに池の小屋着。天気が一時的にでも回復すれば、もしかすると終演前のオオヤマレンゲの咲き残りを楽しみに鳴子山に向かおうという、何とも涙ぐましい忍耐力でひたすら待ちます。今年はミヤマキリシマのピークからオオヤマレンゲの佳境までほぼ1ヶ月間が見事に空白となり、何だかこの空白を埋めるものがあるのだろうかと情けない心境であります。当然のことですが、ガスは一向に晴れることなく、それにもめげず待ち続けていたもの、9時30分過ぎには雨も絶え間なく降るようになり、ガスもますます濃くなってきました。間違いなくこれは撃沈の典型であります。雨具を着用し地雨のようにそぼ降る雨の中、山を下りました。

【7月10日】夏の御池

7月10日の九重連山は晴。5時過ぎの長者原の気温は16℃。梅雨も末期を迎えようとしており、例年のように集中豪雨禍が心配される時期になってきました。

目覚めたのはすでに5時過ぎ。東の雲はわずかに染まり、またもや朝駆けは断念。朝日が差す爽快な朝の牧ノ戸峠に着いた6時過ぎ、すでに下の駐車場に車を駐め、入山している登山客が増え始めています。梅雨明けまでは少々時間がかかりそうですが、天気が回復し日が差すとさすがに夏そのものでして、早朝に入山し遅くとも正午前には下ってこないと、午後の炎天下を歩く気にはなりません。

登路に咲く花も徐々に白い花が目立つようになり、夏本番が近くなっていることを感じます。白い花といえば、やはり夏の山肌を覆うノリウツギでありまして、すでに枝先でツボミを膨らませています。咲き残るミヤマキリシマやニシキウツギを堪能しつつ、満々と水を湛えた御池を迂回し中岳へ向かいます。先週はガスで周囲の景色も確認できなかったので、すっかり夏の装いとなった御池周辺の景色に驚きつつ中岳山頂着。

中岳山頂には先行の登山客が1人いましたが早々に下られ、山頂を独占して大休止。9時を過ぎると周囲の山に再びガスがかかり初め、一時中岳山頂もすっかりガスに覆われてしまうようになりました。午後から天気は下り坂という予報で、やはり梅雨の晴れ間は束の間のことでありまして、10時過ぎには山頂を経ち、天狗ヶ城を経由して山を下りました。

【7月17日】すがもり避難小屋と新設の西峰山頂標識

7月17日の九重連山は晴のち雨。7時前の長者原の気温は21℃。九州北部に梅雨明け宣言があり、夏本番が訪れました。しかしながら依然として大気の状態は不安定で、午後からはにわか雨の予報もあり、早々に山行を終えて長者原付近で夏の訪れを実感すべくのんびり散策の予定です。

大分県北部の自宅付近は晴れていたのですが、速見JCTあたりはガスが濃く雨も降っています。これはまたもや撃沈かと落胆したのも束の間、長者原へ着く頃にはすっかり晴れ渡った空が広がり、絶好の山行日和のようであります。さすがに梅雨が明けたとはいえ、大気の状態はまだ不安定で、午後からの天気には要注意です。早々に装備を確認し大曲から入山。晴天の空が広がる梅雨明けの登路を快適に歩きます。心地よい風が吹き、夏の訪れを実感しつつすがもり越に向かいます。

すがもり越に着く頃から、晴天の空に少々変化が出始め、山頂付近にわずかばかりガスがかかるようになってきました。涼風が吹き抜ける快適なすがもり避難小屋で、しばし至福の一時を過ごすつもりでありましたが、経験則からいえばこれはもう不安定な天気の予兆です。大急ぎで西峰登路へ取り付き、徐々にガスがかかり始めた西峰へ向かいます。

西峰山頂付近に着く頃、山頂付近にはすっかりガスがかかり、周囲の景色も見渡せなくなってきました。山頂付近には徐々にガスが濃くかかり始め、本峰付近では登路も霞む状態です。本峰を経て南峰へ着くと、山頂標識が付け替えられています。大船山、中岳、天狗ヶ城、久住山に続いて三俣山南峰、今回の山行では帰路に三俣山西峰も山頂標識が新築されているのを確認しました。

坊ガツルを見下ろすお気に入りのテラスに移動したものの、ここも濃いガスに覆われています。天気は不安定で雨も心配ではありますが、さすがにこのまま山を下る気にもなれず、ガスに包まれた三俣山南峰のテラスで1時間余り待機しました。辛抱強く待った甲斐があり、一瞬ですが坊ガツルも望むことができました。とりあえずお手軽山行でありましたが、今回はこれくらいで勘弁してやろう・・・・、という負け惜しみと未練をたんまりと残しつつ、山を下りました。

【7月24日】すがもり越の朝

7月24日の九重連山は晴。4時頃の長者原の気温は17℃。連日猛暑が続く平地では考えられないほどの涼しさです。東の空には薄く雲が広がり、黎明を告げる空が徐々に染まっていきます。硫黄山取り付け道路の指山観察路付近の駐車スペースに車を駐め、4時30分頃に入山。この時刻からですと、すがもり越あたりで朝を迎えることになりそうです。

たっぷりと朝露をまとった登路脇の緑濃い葉がヘッドランプに輝き、晴天の朝を迎えたことを実感します。この時期はコースにもよりますが、早朝に入山する機会が増えるため、朝露対策の雨具は必需品です。牧ノ戸峠から天狗ガ城や中岳方面に向かうのであれば、朝露対策も不要でしょうが、登路をササなどが覆う三俣山などでは、用意する方が賢明です。今回の登路でも、坊原付近の硫黄山取付け道路をショートカットする登路で早速雨具のズボンを着用しました。やはり少々蒸れるものの、朝露に濡れるとひんやりとして気持ち良くもあります。レインチャップスだと蒸れも少なく多少は快適でしょう。

硫黄山の噴煙がまっすぐ上空に昇り、風も弱く静穏な朝を迎えています。噴煙が徐々に染まるのを眺めつつ、5時30分頃にすがもり越着。すでに日の出の時刻を迎えていますが、三俣山の陰となるすがもり越付近の日の出は、もう少し遅くなりそうです。快適なベンチに座り朝日が注ぎ始めるのを待ちます。

すがもり越の地図標識がある場所から避難小屋を望むと、背後の硫黄山上部から徐々に日が差してくる様子がわかります。日の出の時刻から約30分後の6時頃に、やっとすがもり避難小屋付近にも朝日が注ぎ始めます。日の出を終えると感動もそこそこに即行動開始です。この晴天ですから、日の出後は急激に気温が上昇します。しかも標高が2000mにも満たない九重連山では、気温が高くなるため夏の炎天下での移動は苦しいものがあります。そんなことで、周囲の山が朝日に照らされ、朝露を帯びた緑が輝く中を、早々に三俣山西峰登路に取り付きます。

登路を覆うササは朝露に濡れ、濡れた雨具の冷たい感触を楽しみつつ、西峰から?峰を経て南峰へ直行します。朝露でずぶ濡れになりながら南峰着。坊ガツルを見下ろすお気に入りのテラスに移動し、見下ろす坊ガツル野営場にはテントが10張程確認できます。週末に2日続けて休むことも出来ず、なかなか日程調整がつかないまま、今年も日帰り山行を繰り返しているわけで、そろそろ野営禁断症状が出てきそうですね〜。(苦笑)

三俣山南峰でしばし至福の時を過ごし、それでも梅雨が明けて連日猛暑が続くため午後からの天気も不安になります。山を下り、麓でのんびり休憩すべく、8時30分頃名残を惜しみつつ三俣山南峰をを発ちました。

【7月31日】ヒゴタイ

7月31日の九重連山は曇。7時頃の長者原の気温は21℃。連日の猛暑の中、空調が効いた建物の中と炎天下のうだるような暑さの屋外を頻繁に出入りしていたためか、少々疲れ気味であります。

週末恒例の宴席もいつになく早々に終え、朝から27℃もある大分市中心部を発ち、大分自動車道を経て一路九重連山へ向かいます。上空を雲が覆う飯田高原に着くと、山頂付近にはガスがかかっています。雨が降ることはなさそうなので、ゆっくりと装備を確認し7時過ぎに指山観察路入り口付近から入山時しました。曇り空のために朝露もほとんどない硫黄山取付け道路をショートカットし、すがもり越手間でガスの中に入ります。うっすらとガスが覆うすがもり避難小屋付近の8時過ぎの気温は18℃。まとわりつくような湿気を肌に感じ、路地から漂う腐敗臭のような酸っぱい臭いが漂う市街地とは10℃近く気温が低く、別世界の快適さです。

山頂にはガスがかかっているわけですし、山頂に向かっても景色も望めないわけですから、このままこの避難小屋でのんびりと惰眠をむさぼるのも良いかも・・・、などとすぐに安直な考えが浮かんで来るのも毎度のことです。(苦笑)とりあえず法華院まで下ってから坊ガツル周辺でのんびりすることにして、うっすらとガスが覆う北千里を抜け法華院山荘へ向かいます。

上空をガスが覆っていますが、坊ガツル周辺は快適な風に夏草が揺れ、時折雲が切れて薄日が差す絶好の癒し空間が広がります。法華院山荘前のテーブルを借りて大休止です。立中山頂は望めますが、平治岳から大船山にかけてはガスが覆い、山頂を望めません。法華院山荘付近で1時間余り至福の時を過ごしてから、坊ガツル野営場へ向かいます。

一段と濃い緑が揺れる草原を涼やかな風が渡り、点在するテントも夏の光景の一部となって周囲の景色に溶け込んでいるようです。坊ガツルの夜に思いを馳せつつも、週末ごとにイベントが重なり、思うに任せないのが実情であります。涼風が渡る坊ガツルを発ち、雨ヶ池へ向かいます。新設された雨ヶ池登路は一部が石畳となっており、何とも贅沢な歩き心地です。登路脇の枝が適度に刈り込まれ、大変歩きやすくなっています。6月に長期出張で2週間あまりのブランクがあったため、この登路を歩いたのも2ヶ月以上前のことで、周囲の景色も大きく変化しています。雨ヶ池では咲き残るノハナショウブが迎えてくれましたが、今年はミヤマキリシマもオオヤマレンゲも、さらにノハナショウブの花期もその機会を逸してしまい、なんだか空白の1ヶ月が存在しているような不思議な感覚です。

2010年8月
【8月7日】ガスかかる久住山

8月7日の九重連山は晴のち曇。6時頃の牧ノ戸峠の気温は17℃。長者原駐車場にはキャンピングカーがあふれ、牧ノ戸峠Pも6時前にはすでに多くの登山客が訪れています。日の出を待って入山する人が多いようで、朝駆け御来光観賞組を第1のピークとすれば、それに続く第2の入山組がピークを迎えようとしていました。早々に装備を確認し、朝日が差し始めようとしている登路を6時過ぎに入山。快適な早朝の風に吹かれながら、沓掛山を一気に過ぎ、登路脇に咲き始めたワレモコウやコバギボウシ、サイヨウシャジンなど紫色の花を愛でながら快適に歩いて行きます。

登路周囲ではノリウツギの花が山肌を白く染めていますが、ヒゴタイも含めて青・紫色の花が目立つようになると徐々に秋の気配を感じるようになります。まだ夏真っ盛りで平地では連日35℃を超える酷暑が続いていますが、今年も順調に秋が訪れるているようです。7時を過ぎ星生崎手前付近でガスが出始め、西千里から望む久住山にもガスが絡み始めます。久住分かれを過ぎた7時30分頃には周囲をすっかりガスが覆い視界も開けなくなってきました。御池を迂回し、天狗ガ城と中岳の稜線へ出るとガスに加えて風も吹き寒さを感じるようになります。

中岳山頂でしばし至福の時を過ごし、ガスも少しずつ薄れ始めた9時過ぎ、山頂を発ちのんびりと山を下ります。登路脇に咲くイヨフウロやシモツケソウ、湿地にあるモウセンゴケの花を探しながら11時前に牧ノ戸峠に帰着しました。牧ノ戸は相変わらずの賑わいで、多くの観光客が訪れています。

【8月14日】大山6合目避難小屋と山頂付近の木道

8月13日19時過ぎに自宅を発ち、20時頃に九州自動車道に合流。13日は関門海峡の花火大会が開催されるとあって、予想はしていたものの、吉志PA付近から混雑し始め、めかりPAは閉鎖され関門橋の路側には花火見物の車両が駐車しないよう誘導員が配置され、歩く程度の速さで流れている始末で、関門橋を通過するのに少々時間を費やしてしまいました。

山口JCTを過ぎると、中国自動車道はがら空きです。渋滞もなく落合JCTから米子自動車道の溝口ICを降りて大山寺着は2時前。天気は雨で、明朝の入山を急ぐ事もないようですし、何より朝は運転が不要ということで心置きなく・・・と言っても、明日のこともあるので控え気味にビールを飲み、周囲の木々が風でざわめくものの、見事に爆睡したのであります。

8月14日の大山は曇。午前5時頃の大山寺の気温は24℃。5時過ぎに目覚めると真っ暗です。どうやら曇っているうえにガスがかかっているようです。雨は止んだものの予想どおりの展開となり、少々意気消沈しながら朝食を摂り、6時過ぎに大山寺から夏山登山道を経て弥山へ向かいます。日程の都合もあり、恒例の山頂一泊は叶わなかったので、天気が良ければ数年ぶりに大山ユートピアから三鈷峰へ日帰り山行の予定でしたが、この天気で景色も開けないでしょうから弥山へ向かうことにしました。

毎度のことながら五合目付近までは樹林の中で風も吹かず暑さに耐えながら淡々と歩きます。五合目を過ぎるとガスに覆われ、六合目避難小屋は完全にガスの中です。天気が良ければ七合目付近からは米子市から境港市へ伸びる弓ヶ浜の絶景が望めるはずですが、ひたすらガスの中を歩き、景色の開けないまま八合目から一段と濃くなったガスで視界は10m程度となり、ほとんど撃沈モードに突入であります。見るものがない・・というより、周囲の景色が全く望めないので足下を見つめるしかなく、キャラボクの中に伸びる木道をひたすら見つめながら歩きます。(苦笑)

8時過ぎに山頂着。当然ながら山頂も完全なガスで風も強く、避難小屋の全景も望めないほどの濃いガスに中で待機する気にもなれず、避難小屋に待避。一昨年の一泊山行の際は閉まっていた売店も営業しています。強い風が吹く山頂付近は休憩する場所もなく、9時を過ぎる頃から登山客が避難小屋にあふれるようになってきました。避難小屋は一段と混雑し始め、長居をするのも恐縮するので装備を撤収し10時前に小屋を出ました。避難小屋を発ち木道を下り始めると、大粒の雨も吹き付けるようになり、雨具を着用し再びガスの中を淡々と山を下ります。

雨が断続的に降る中、帰路は元谷に方面へ下る予定もパスして夏山登山道を南光河原駐車場へ戻ります。11時30分に南光河原へ着き、河原に降りて清流で汗ばんだ体を冷やしてしばし休憩。その後、中山温泉館で汗を流してから、鳥取市の実家へ向かいました。

【8月16日】ガスかかるすがもり越とルリ色の宝石・ヒゴタイ

8月16日の九重連山は曇。5時頃の長者原の気温は20℃。長者原駐車場にはキャンピングカーが並び、駐車場はお盆明けにもかかわらず多くの車が駐車しています。山頂付近はガスに覆われ、東の空がわずかに染まる中、ヘッドランプがかろうじて不要になった5時過ぎに大曲から入山しました。夏季休暇をとり、うれし恥ずかし平日山行となったわけですが、2日前の鳥取県大山に続き残念ながら今回もガスの中で、撃沈の様相が濃くなってきました。まあ、不運なときはこのようなもので、ガス撃沈サイクルにすっかり陥っているようです。すがもり越えに着いた6時過ぎ、気温は18℃で、寝苦しかった平地とは一線を画す別世界の涼しさであります。

それにしても、このガスは一体何なのだろうかと思わず自責の念にかられるほどガスにつきまとわれ、少々凹んでしまいそうです。しかも貴重な平日山行にもかかわらず・・・・。(涙)こうなれば開き直ってこのまますがもり避難小屋で待機するか、坊ガつるへ下るしかありません。よく考えると法華院山荘には燃料の自販機があります。そうなると開き直ることも迷うことも、ましてや一念発起する必要もなく、餌にひかれ「猫まっしぐら!」そのままに北千里ガ浜を走り抜け、転がるように法華院山荘へ向かいました。(笑)

山荘に着いた7時過ぎ、ひとまず坊ガツル野営場までプチ散策。野営場に張られたテントをうらやましく眺めつつ、速攻で山荘へ引き返し、しばし至福の時を過ごしたのは言うまでもありません。立中山がかろうじて望めるものの平治岳も大船山もガスに覆われ見渡せません。山荘の談話室でしばしまどろみ、顔に当たる陽で目覚めた10時頃、ガスはすっかり薄れ、大船山頂が望めるようになっています。

さすがに実質2日間で鳥取までの往復に加え、お手軽コースではありましたが大山に続いての山行とあってお疲れモードに突入しているようであります。10時30分頃に法華院山荘を発ち、のんびりゆっくりと北千里ガ浜を通過し、すがもり越を経て正午過ぎに大曲へ帰着しました。さすがに平日山行とあって、駐車している車は3台のみ。実に贅沢な気分であります。

【8月21日】三俣山登路のススキ

8月21日の九重連山は晴。5時頃の長者原の気温は20℃。残暑というにはあまりに厳しい酷暑で平地では連日最高気温が35℃を超えています。20日夜19時過ぎ、大分市の市街地の気温は32℃もあり、異様なまでの暑さです。飯田高原に着いた22時頃の気温は21℃で、こちらは順調に秋の気配が感じられる気温となっています。それにしても、この市街地の暑さは一体・・・??

毎度のことではありますが、朝は車の運転が不要という安心感から不覚にも酩酊して爆睡。目覚めたのはすでに東の空が明るくなり始めた5時前であります。しかも頭が重い・・・。(苦笑)今日もまた晩夏の高原の朝を期せずして長者原で迎え、遅ればせながら7時に入山することになってしまったのであります。

朝日が注ぐようになると気温は急激上昇。快晴の空からは晩秋の陽が容赦なく注ぎます。すがもり越に着き、強めに吹く風が心地よく感じられ、避難小屋の中はまるでパラダイス。

西峰登路をゆっくりと登り、西峰から?峰下を経て南峰へ向かいます。9時を過ぎる頃から大船山にガスがかかり始め、間もなく三俣山にもガスが押し寄せるようになり、お気に入りの坊ガツルを見下ろす南峰のテラスでくつろいでいた9時30分頃には、周囲がガスに覆われるように視界が開けなくなりました。

それでも心地よい風が吹く南峰のテラスは限りなく快適で、しばし至福の時を満喫しました。1時間少々過ぎた10時30分頃、後ろ髪を引かれる思いで南峰を発ち山を下りました。

【8月28日】マツムシソウ

8月28日の九重連山は曇。6時頃の牧ノ戸峠の気温は19℃。9月が目前になっても、平地では最高気温が連日35℃を超えて、まるで盛夏のようです。朝夕は幾分過ごしやすくなってきたものの、日中の暑さは残暑なんてものじゃ〜ありません。ここは束の間の涼を求めて九重連山へまっしぐらであります。

湯布院ICからやまなみハイウェイは入ると、道路には折れた木々の枝が散乱しており、昨夜はかなり強い風が吹き荒れたようです。牧ノ戸峠も強い風が吹き、強い風のため少々寒さを感じつつ入山したものの、沓掛山を過ぎる頃には適度に汗ばんだ体に強い風も心地よく感じられるようになります。

沓掛山から扇ヶ鼻手前までは朝日も注ぎ快適に歩けたのですが、扇ヶ鼻分岐からは完全にガスの中に入り、時折ガスが薄れ視界が開けるものの、この夏の山行は全くガスに絡まれてばかりであります。8時頃、肥前ガ城上空にヘリが飛来し、ホバリングしています。登山客の事故かな〜と思っていたのですが、実は・・・。

ガスがかかる御池湖岸でしばしガスが薄れるのを待ち、その後池の小屋に待避。池の小屋付近では強烈な風で小石が飛んでくる始末です。待てど晴れないガスにいらだちを感じつつ、1時間あまり待機した後に山を下りました。復路の沓掛山下で、諸兄らに会い、しばし情報交換。久住山避難小屋で登山客が亡くなっていたということで、復路で竹田広域消防の隊員10名ほどと会ったのは、その対応のためだったのでしょうか。


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