2011年 秋

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2011年9月

【9月4日】初秋の池の小屋

9月3日の九重連山は雨。9時頃の長者原の気温は19℃。長者原では台風の再接近のためか強烈な風が吹き、強い雨が降っています。

明けて9月4日、8時前の牧ノ戸峠の気温は19℃。ガスがかかりガス雨も降っています。しばらく駐車場で待機し、ガス雨が小康状態となった8時30分頃、意を決して入山。登山客も少なく淡々とガスの中を歩きます。ガスが濃く何だか意気消沈しながらも、それでも何とか山行ができたのはラッキーです。少々やせ我慢の気もしますが・・・。(笑)

ガスで周囲の眺望は全く開けず、ただ淡々と歩くのみです。久住分れ付近で横殴りの雨が強くなり、やむなく雨具を着用。さすがにこの時期はひたすら暑いもので、ゴアテックスでも発汗量が多ければ当然蒸れるものは蒸れるわけで、汗にまみれながら御池湖岸を迂回して池の小屋に直行です。

池の小屋に着く10時前には雨も止み、ガスは依然濃いものの時折薄れては再び濃いガスに覆われる状態です。強い風で吹き付けるガスは、カメラもずぶ濡れになるほどで、ガスの薄れた合間にかろうじて池の小屋を撮影して、11時過ぎまで池の小屋で至福の時を過ごしました。

【9月9日】北千里のススキ・星生山頂

9月9日の九重連山は晴のち雨。6時前の長者原の気温は18℃。何かと慌ただしく過ぎていった夏もいつしか気づけば9月となり、朝夕の涼しさと虫の音は確実な秋の訪れを感じさせてくれます。予報では午後から曇りで雨も降りそうなので、早々に山を下り9月9日の「九重温泉の日」で温泉にのんびり浸かる予定です。

午前6時前に大曲から入山。周囲の山に朝日が注ぎ始める中をすがもり越へ向かいます。朝のすがもり越は、毎度のことながら実に快適で、訪れる登山客もなく、静かに時間が流れています。ベンチで惰眠をむさぼりたくなるのはいつものことで、誘惑を振り切り北千里へと下ります。ススキの穂が伸び、朝の日に照らされて輝く様子は、平地より一足も二足も速く秋が訪れていることを感じさせてくれます。

大船山方面にガスがかかり始める中を北千里から久住分れに向かいます。久住分れに着いた7時30分過ぎ三俣山から中岳方面にガスが押し寄せるようになりました。午後からは曇りという予報にしては少々早めのようですが、上空には青空は広がっています。前々回の三俣山でも同様の傾向であったことから、日の出後に気温が上昇しはじめることで山頂付近に一時的にガスがかかるようです。

ひとまず御池まで歩いて、中岳方面にガスが広がっていることを確認しました。早めに山を下って温泉を満喫する予定ですので、ガスが切れるまで待つのも気が引けて、早々に引き返します。

久住分れから星生崎へ向かい、星生山の稜線を快適に歩きます。吹き抜ける風は心地よく、初秋の気配が濃厚です。8時過ぎには久住山から中岳方面はすっかりガスに覆われて山頂が望めなくなり、やがて三俣山もガスに覆われていきました。

幸いなことに星生山頂にはガスが押し寄せることもなく、眼下の景色を楽しみつつしばし至福の時を過ごします。山頂に着いて約1時間後の9時30分過ぎ、眼下の西千里から歓声が聞こえるようになりました。どうやら中学校?あたりの団体が久住山へ向かっているようです。挨拶攻撃にあうのも気が引けるので、団体が通過するのを待ってから山を下りました。

【9月17日】坊ガツル木道と野営場

9月17日の九重連山は晴のち曇。9時前の長者原の気温は22℃。前夜職場のある大分市では夕方から雨脚が強くなり、20時前には傘をさして歩いても足下がずぶ濡れになるほどでした。予報も悲観的なもので、おそらく明日も雨だろうということで、長者原には向かわずに、自宅へと戻りました。

明けて18日、大分県北部の自宅付近では朝から雲は多めですが晴れています。急いでライブカメラで確認すると、なんと三俣山上空には青空が広がっているではありませんか!昨夜の雨を思えば、これはもう完全な予想ミスでありまして、通常なら前夜が雨でも天気予報などから何となく晴れそうな予感があるものです。昨夜は完全に意気消沈して帰宅したところでありまして、これも週末ごとに雨に見舞われたこの夏の天気と、今日は午後から変則的な出勤ということで時間の制約があったことが影響していたのかもしれません。

急いで出発したものの、すでに7時前。大分自動車道は霧で通行止めですので、玖珠町を経由して長者原に向かい、現着は9時前になりました。ライブカメラでは晴れていた天気も、9時前にはガスがかかり、三俣山を含めてめ山頂はすでに望めなくなっています。タイムリミットまで3時間、ガスがかかっているとなると選択肢は自ずと限られてきます。ということで、お手軽に坊ガツルまで往復することにして、入山しました。

すがもり越はすでにガスに覆われ、すがもり避難小屋も早々に通り過ぎ、北千里から法華院へ下る登路へ入ると、ガスのために視界は開けないものの、下から重機の作業音が聞こえてきます。前回法華院山荘上に新設された砂防ダムの補強?と三俣山側の土石流が発生した谷に新たな砂防ダムを新設しているようです。

九重連山の登路には通行を自粛するように掲示があったり、登路をふさぐようにロープが張られ通行しないように指示されている場所があります。この件については、何度かサイトを見ていただいた方から照会がありました。白口谷はひとまず「通行には十分ご注意ください」ということでありまして、通ることはできそうです。法華院山荘前にも掲示されています

法華院山荘側の谷も護岸作業中で、山荘周辺は工事車両が入り少々にぎやか?になっています。ミキサー車も通る登路を早足で歩いて坊ガツル野営場に向かいます。ススキが揺れる坊ガツル野営場には、テントが数張り。この三連休も賑わいそうですが、雨中での撤収は大変ですし、何より後始末とメンテに苦労しますので気が重いものです。それでも、なかなか思うに任せないまま過ぎていったこの夏を思えば、これは実にうらやましい限りであります。

【9月23日】登路のススキと西千里のリンドウ

9月23日の九重連山は晴。6時前の牧ノ戸峠の気温は6℃。慌ただしく過ぎていく9月もいつしか後半になりました。前夜山間の夜は肌寒くもあり、しみじみ過ぎていく夜は湯平温泉にのんびりと浸かり、まずは至福の時を過ごします。飯田高原は冷え冷えとして、22時過ぎに現着した頃の気温は7℃。

夜半に一度寒さで目覚めたものの2度寝をして、結局目覚めたのは5時30分を過ぎ。東の空が白み始めています。この時刻からであれば山頂でのご来光には間に合わないので開き直ってのんびりと朝食を食べ、6時過ぎに入山。

西千里を過ぎ、久住分れから御池へ向かいます。御池は満々と湖水を湛えており、夏季は例年水位も高めになるのですが、今年はことのほか高い気がします。梅雨時ほどではありませんが、湖岸の登路も一部水没しており湖水もいつになく透明度が高く、やはり降水が多めだったせいかもしれません。

御池を迂回して、中岳へ向かいます。8時頃には後続の登山客もあるものの、ご来光撮影の朝駆け登山客は山頂を下っており、比較的静かです。山頂は少々肌寒く感じるほどですが、多少霞んでいるとはいえ空気の透明度も高く、周囲の景色を楽しみつつしばし至福の時を過ごします。

1時間あまり中岳山頂で休憩した後、リンドウを探しながら山を下ります。天狗ヶ城下や、西千里付近のリンドウが花を咲かせはじめ、つぼみも多く、この秋もきれいな花が楽しめそうです。三俣山南峰はもう少し遅れるかもしれませんが、足の踏み場もないほど群生する場所もあるので、そろそろ確認してみたいところです。

復路では、九重連山でよくお会いする諸兄らとしばし情報交換をしながらのんびりと下ることになったため、10時前頃からは久住山へ向かう登山客が急増し、毎度のことながら挨拶攻撃に遭いながら下ることになりました。牧ノ戸峠に帰着した11時過ぎ、周囲の路肩にも車が駐車し大混雑です。それにしてもこの人出の多さは驚愕であります。静かな山行を楽しみたいのであれば、早朝の山行がおすすめですよ。

今回の更新をもってサイト開設以来15年を迎えました。淡々と続けてきたにもかかわらず、多くの方にご来訪いただき、ありがとうございます。これからも、風の吹くままに気ままな山行を続けていきますので、ご来訪いただく方々の期待するような四季折々のタイムリーな情報とはならないだろうと・・・。

まあ、現在多くの方が九重連山に関するサイトやブログを開設されているので、今どこにどんな花が咲いてるなどという情報は、必ずどこかにあるはずです。「一体どこにあるんじゃ!」と簡単にあきらめずに、粘り強く探してみてください。(笑)

【9月30日】坊ガツル木道

9月30日の九重連山は雨。6時前の長者原の気温は17℃。前夜22時頃に現着。上空に星は望めず、予報では翌日は雨ということです。この夏の平日山行はことごとく雨にたたられ、池の小屋や法華院温泉山荘の談話室のお世話になることが多く、何だか消化不良なのです。(涙)

先週の朝の冷え込みを考慮して冬用のシュラフを持参したため、シュラフカバーなしでも少々暑さを感じるほどでしたが、サイドのジッパーを解放して熟睡し、目覚めるとすでに5時過ぎです。そぼ降る雨の朝は徐々に白み始め、のんびりと朝食を摂りながら朝のニュースで世情を確認しつつ雨が小降りになるのを待ちます。

雨が小康状態になった7時過ぎに入山。高度を上げるにつれ徐々にガスが濃くなり視界が悪化します。すがもり越に着いた8時頃には明らかにガス雨よりも大粒の小雨が降り始めました。この天気ですから、目的地は自ずと限られ、法華院山荘へ向かいます。

法華院山荘上では砂防ダム周辺の工事が進行中で、既設の砂防ダムの補強と三俣山斜面の土石流が流れた跡に新たな砂防ダムが建設されています。9時前に山荘に着いて間もなく雨脚が強くなり、談話室で1時間あまり待機します。工事車両の動作音が断続的に聞こえ、大船山もガスに隠れては再び姿を現す状態が続きます。10時前、雨の切れ間に法華院山荘を発ち坊ガツル野営場、雨ガ池を経由して山を下りました。

2011年10月
【10月8日】秋の御池

10月8日の九重連山は晴。5時頃の長者原の気温は6℃。週末恒例のことではありますが、前夜は大分市の職場から湯平温泉を経由し、普段より多少早めの9時過ぎに長者原着。気温7℃ではありますが、温泉で茹で上がっていたので、それほど寒さは感じません。控えめに夕食を済ませ、早々シュラフに入り爆睡。この程度の気温の時期が車中泊では快適です。厚着をしなくても寒くなく、薄着でシュラフに入ると開放感もあり、酩酊しなくとも熟睡できます。(笑)

有氏牧野道から7時頃に入山。ガラン台を経て大船山へ向かいます。日が注ぎ始めると急激に気温が上昇し汗が流れ始る中、鳥居窪を経て大船山頂に9時過ぎに着くと、先行の登山客を確認。眼下の坊ガツルにはテントが確認できますし、この晴天ですから朝駆けされた人もいたのでしょうが、9時過ぎは昼間の登山客との入れ替わりの時間帯となっているようで閑散としています。

紅葉の状況については、希望的観測も含めて、以下のとおりです。何せ自然は気まぐれですから、あくまでも経験則による個人的見解ということで参考にしてください。

御池付近・・・色付きはじめ。1週間から10日程度でピークか?
段原斜面・・・色付きが確認でき、10日〜2週間程度でピークか?
山頂北斜面・・・色付きはじめ。10日〜2週間程度でピークか?

台風禍等によるドウダン等の葉の痛みは少く、色付きも期待できそうです。10時を過ぎ御池湖岸へと下ると、いつになく水量が多く、例年湖岸には5m程度の砂地が広がっているのですが、ほとんど水没しています。次週あたりになると、三脚を立てる場所取りのバトルが発生しそうな状況であります。今年は夏から秋にかけての雨量が多かったため、水量が例年になく多くなっているようです。

【10月15日】錦秋の三俣山

10月15日の九重連山は曇のち雨。5時30分頃の長者原の気温は15℃。14日午後から県内は雨が降り始め、帰路についた20時過ぎ一時強い雨も降り、大分自動車道の走行車線ではハンドルがとられるほど轍を水が流れていました。この雨ですから、実家の農作業も実に微妙な状況となります。予報では15日は曇のち晴、午後一時雨ということで、晴れて風が吹けば午後からは作業ができそうでもありますし、雨が降り始める時間帯いかんでは不可能ということになりそうです。ひとます、正午頃までに実家に着けば万事OKということであります。

想定外の状況で急遽山行が可能となりましたが、何しろシンデレラ山行でありますので、午前中に帰宅となると大船山は少々厳しいかも・・・・、ということでお手軽な三俣山に向かいます。5時30分過ぎの長者原駐車場は意外なほど閑散としており、大曲駐車スペースには1台も駐車していません。昨夜までの予報では曇りのち雨ということでしたから、晴れの予報が出ていた16日(日)に山行日程を変更した登山客も多かったのかも知れません。

曇っているため明るくなる時間も遅く、ヘッドランプが不要になった6時過ぎに入山。雨を残す登路のササに足下を濡らしながら、たっぷり雨を含んでズルズルに滑る登路を淡々と歩き、すがもり越へ向かいます。先週の山行記録に記載したとおり、大船山御池の紅葉が今日あたりピークを迎えているものと思われ少々心残りなわけですが、ひとまず予定外の山行ができただけでも幸いというものです。

すがもり越でのんびりくつろいでいる場合ではなく、すぐに西峰登路へ取り付きます。曇り空の下で大船山段原付近のドウダンの色付き具合は判別できませんが、それでも先週より確実に濃くなっているように思えます。西峰から本峰へ向かうと、?峰谷のドウダンが染まっています。葉の痛みもなく順調に色づいていますので、真っ赤に染まるピークは次週後半になりそうです。

本峰に着き、大鍋をのぞき込んでびっくり!思わず声をあげそうになるほど大鍋付近の色付きが進んでいます。昨夜来の雨で葉が濡れていることが影響していると思われ、とにかくうれしくなるほど鮮やかに染まって見えるます。真っ赤に染まる大船山御池とは趣が異なり、大鍋から小鍋付近はドウダンの株の中に緑を残すシャクナゲの株が点在し、黄葉も適度に混じって彩りをいっそうカラフルに見せてくれます。

本峰から大鍋に下り、大鍋を縦断し小鍋壁へ着くと、ここも見事な色付きです。色付きのピークは次週なかばあたりと思われますが、とにかく昨夜来の雨に濡れた紅葉と黄葉、シャクナゲの緑が絶妙な彩りを見せています。大船山御池の紅葉のピークは今年も見逃したものの、期せずして三俣山の紅葉が見せる錦秋の彩りに巡り会えたのは幸運でした。

【10月23日】沓掛山登路の落葉

10月23日の九重連山は曇時々雨。6時頃の長者原の気温は14℃。22日は県南部を中心に記録的な雨が降りました。現着した22時前の天気は雨。2週間ぶりの前夜からの現地入りはうれしくもあり、酩酊して爆睡しました。目覚めたのは薄明かりの6時前で、実に良く寝ました。

雨の朝は余裕十分で慌てることもなく、7時前に牧ノ戸峠へ移動。大曲付近からガスが濃くなり、牧ノ戸峠も濃いガスに覆われています。慌てることもないな〜とのんびりと装備を確認。ところが、7時を過ぎると状況は一変し、次々と登山客を乗せた車が駐車場にあふれはじめ、大型バスも乗り入れてきて、大量の登山客が降りてくるようになりました。(苦笑)

登路が混雑することは間違いないので、ガスの登路に大急ぎで入山。登路脇のモミジの色付きは確認できるものの、周囲の景色も見渡せないまま、淡々と歩きます。沓掛山山頂付近、標高1500m以上の場所での紅葉はピークを過ぎ、徐々に麓の長者原付近へと色付きが下ってきているようです。

鍋谷上部の色付きも、星生山西斜面の色付きも、ガスに覆われ全く確認することができません。西千里から久住分れにさしかかる頃にもガスは切れず、御池を迂回し池の小屋に向かいます。池の小屋に待避して、ガスの切れ間を待ち続けました。

結局ガスが薄れることもないまま、退散となった10時頃、あいにくの天気にもかかわらず、30〜50人の団体が次々に登ってきます。行き違いに待っていると長蛇の列の先頭の方から「50人ほどいます!」と言われ、愕然とすることしばし。牧ノ戸から久住山へのルートは、少なくとも9時前までに早めに下らないと、休日は天気に関係なく混雑します。

【10月29日】坊ガツルの紅葉と暮雨の滝

10月29日の九重連山は曇のち雨。5時頃の長者原の気温は13℃。28日夜、例によって大分市の職場から直行し、湯平温泉を経由し23時前に長者原着。遅めの夕食を食べ、日頃の慢性睡眠不足がたたり酩酊するまでもなく見事に爆睡してしまいました。朝の目覚めはすっきりさわやかなのですが、気になるのは天気でありまして、三俣山にはガスがかかり上空からはガス雨の兆候も見られます。2回も続けてガスで撃沈するのもシャクです。ひとまず雨も止んだので、坊ガツルまでのお手軽山行をすることにして、吉部へと向かいます。

6時過ぎに吉部の駐車場着。大船林道は法華院山荘付近の砂防ダム工事のために大型車両が通行しているためもあり、周囲の路肩の駐車が一切できなくなっています。付近に有料の駐車場が2カ所あるので、必然的にそちらを使用することになります。

薄明かりの中で装備を確認していると、早くも6時30分頃にはヘッドライトを点灯した大型のダンプカーが2台大船林道へと入っていきます。砂防ダム工事関係の車両でしょう。8時前になると工事関係者の車両が多数大船林道に乗り入れてくるでしょうから、のんびりしている場合ではありません。早々に入山し、大船林道をショートカットする鳴子川沿いの登路へと入ります。

登路は薄暗いものの、周囲の紅葉はピークを過ぎているとはいえ、ガスと雨に濡れた葉は一段と鮮やかに見えて、本来の色以上に鮮やかに見えます。登路の落葉もまたしかりで、曇り空とはいえ適度な湿り具合で鮮やかな彩りに見えます。乾いていれば乾いているで、落葉の少しばかり甘い香りを楽しみつつ歩けますので、それはそれで楽しいものです。

大船林道に合流した7時30分過ぎ、やはり工事関係者の車両がやってきます。坊ガツル北端手前の鳴子川にかかる鳴子橋付近からガスに覆われるようになり、坊ガツル付近はすっかりガスに覆われて景色も開けません。8時過ぎ、何とか雨に遭わずに坊ガツル野営場着。

ガス雨は依然続いており、小休止の後、帰路は暮雨の滝側登路を下り、9時30分前に暮雨の滝着。登路から滝壺付近に下る場所は足下が悪く、雨で湿ってズルズルに滑ります。紅葉シーズンの暮雨の滝は周囲の木々が色づき、滝壺の湖面を舞う紅葉が描く模様が絶妙です。今回滝周辺の紅葉は少々ピークを過ぎていましたが、滝壺の湖面の落葉は鮮やかで、水量も多く思わずうっとりする光景です。天気が良ければ最高ですが、曇り空で少々薄暗いのもまた一興というものであります。

PLフィルター(偏光フィルター)を使用すると、水面の反射が消え滝壺の水の色がきれいに出るので、いつもながら強めに効かせて撮影。弱めの方が肉眼で見た場合との差がなく、自然な感じになるので、これだけでもしばらく遊べます。銀塩の頃は常用に近かったのですが、デジタルに移行してからは使用する機会がめっきり少なくなったPLも、水回りでは依然として大活躍であります。ガス雨が徐々に本格的な雨に移行し始めた10時前、早々に撤収し、大急ぎで山を下りました。

2011年11月
【11月5日】久住山登路

11月5日の九重連山は曇時々雨。5時頃の長者原の気温は14℃。前夜、22時前に長者原着。強い風が吹き、時折小雨が降っていました。目覚めた5時前、幸い雨は降っていません。暗くて明確ではありませんが、曇り空が広がり、どうやら山頂付近にはガスがかかっているようです。

少々蒸れるのを覚悟の上で、雨具を上下とも着て6時30分過ぎに入山。沓掛山山頂付近の紅葉はすでに完全に終わり、木々もほとんど葉を落としています。高度を上げるにつれて徐々にガスが濃くなり、扇ヶ鼻分岐付近から視界は20m程度になりました。

久々に久住山避難小屋に立ち寄ると、入り口付近にフライシートらしき遺失物が放置されていたりペットボトルが残されていたりと、気になる様子はあるものの、おおむね無難に使われているようです。ガスの濃い御池を迂回し、このところお世話になり続けている池の小屋に8時30分頃に着。小屋の外はガスが流れ、時折ガス雨の粒が大きくなるようで、雨かな〜と思わせる気配を感じるものの、本降りになることもありません。

雨天時には、必然的に屋根があって風を避けられる小屋があることが山行の条件になりますので、坊ガツルや法華院山荘、池の小屋付近に限られてきます。大船山の避難小屋という選択もあるにはあるのですが、ガスがかかる雨天時に撮影ができるわけもなく、大船山に向かう気は皆無です。(笑)

9時頃に池の小屋を発ち、ぬかるんだ登路を淡々と下ります。西千里ガ浜から扇ヶ鼻分岐を過ぎた9時30分過ぎには20〜30人を超える団体の登山客も登ってくるようになり、久住山へのルートは相変わらずの賑わいです。結局牧ノ戸峠に帰着するまで雨が本降りになることもないままでした。山行を終える直前、少々名残惜しくもあり沓掛山付近で小休止の後10時過ぎに牧ノ戸峠に帰着しました。

【11月12日】黒岩山上空に輝く朝の月

11月12日の九重連山は曇。5時頃の長者原の気温は11℃。朝へと思いを馳せながら熟睡し、気づけば午前5時です。早々に大曲へ移動し、ヘッドランプを灯して入山しました。この時刻からですと、すがもり越あたりで、のんびりと夜明を迎えられそうなので、急ぐこともなくゆっくりと歩きます。

黒岩山上空に輝く月を振り返りつつ眺め、すがもり越に着き夜明けを待ちます。6時30分過ぎ大船山の肩がわずかに色付いたものの、それも束の間で終わり、雲の広がる静かな晩秋の朝が訪れました。7時過ぎまですがもり避難小屋で小休止の後、三俣山西峰へ取り付きます。依然として曇り空が広がり、西峰山頂付近からはガスに覆われるようになります。曇り気味で風も吹き朝露は少なめでしたが、山頂付近の登路はガスで濡れており、スパッツを着用し、本峰着。紅葉を終え冬枯れの景色が広がる大鍋はガスに霞み、何とも単調です。

早々に南峰へ向かいますが、こちらもガスがうっすらとかかり、坊ガツルを見下ろすお気に入りのテラスに移動しても、相変わらずガスがかかり眼下の野営場が時折望める程度です。野営場にはテントが数張り。週末の野営は連続して雨に遭っていましたから、今回は幸運です。長者原付近でも夜半の冷え込みもなく、冬季に使用しているシュラフでは暑いほどでしたので、坊ガツルでも快適な夜を過ごせたことでしょう。

それでも雨に遭わずに山行できるのは実に快適なもので、ガスの切れ間に時折望む坊ガツル周辺を眺めつつ、南峰のテラスでのんびり過ごし、8時30分過ぎに山頂を発ち山を下りました。大曲に帰着した9時30分過ぎには三俣山上空にも薄日が差し始め、徐々にガスも薄れてきているようです。

【11月20日】明け行く北千里ガ浜

11月20日の九重連山は曇。5時過ぎの長者原の気温は6℃。山頂付近にはガスがかかり、ガス雨も降る中、ヘッドランプの明かりを頼りに6時前に大曲から入山。6時過ぎのすがもり越は気温3℃、ガスがかかり見事に撃沈であります。これはもう標高が低くガスがかかっていない坊ガツルに向かうしかありません。

北千里へ下り、法華院山荘へと向かい始めると、北千里のはずれに鎮座する猿岩付近がにわかに明るくなり、周囲を覆っていたガスがわずかに染まり、厳かに朝日が注ぎ始めました。そうそう都合良く朝日も注いでくれるものでもなく、カメラを取り出すわずか10秒かそこらの間に再びガスに覆われてはまた日が差すという状態が続きます。素早く撮影して、これまた素早く法華院山荘へ下ります。

坊ガツル野営場にはテントが一張、避難小屋には学生と思われる10名ほどの集団が禁じ手の避難小屋宿泊をしたものと思われ、食器類を洗いに野営場の炊飯場に来ています。一応避難小屋の宿泊はダメだという掲示もあり御法度のようなのですが、足下も普通のスニーカーなどの軽装でしたから、やむなく避難したということなのでしょうか?

大曲に帰着した10時前、相変わらず山頂付近にはガスがかかるものの、午後からは徐々に天気も回復するという予報です。晩秋の九重連山はそれでも確実に冬へと向かっており、山行後の温泉が一際心地よく感じられました。

【11月26日】氷結した御池

11月26日の九重連山は晴。6時過ぎの飯田高原の気温は−4℃。週末は久々に快晴の空が広がりました。晩秋らしい冷え込みの朝、飯田高原中央部付近は冷気が溜まり、今回も気温が周囲よりも低くなっています。長者原の駐車場付近の気温が0℃でしたから、かなり差があります。晴天で無風の日は、年間を通じてよくある現象です。

焦ることもないので、のんびりと装備を確認し、ヘッドランプも不要になった7時前に大曲から入山。周囲の山の山頂付近に朝日が注ぎ始める中を、すがもり越へ向かいます。夜明けを迎えたすがもり越上空は雲一つなく、実にすがすがしい朝です。先週はガスに覆われたすがもり越で夜明けを迎えたので、快晴の朝は一際爽快です。朝日が注ぎ始めると気温も徐々に上昇し始めます。しばらくすがもり越で快適な朝を楽しんだ後、北千里から久住分れへと向かいます。

北千里ガ浜を流れている小川は完全に氷結しており、昨夜は晴天で朝の気温から思う以上に冷え込んでいたようです。周囲の山頂付近もさすがに快晴とあって霧氷も着いていませんが、これで山頂付近にでもガスがかかっていれば、霧氷も楽しめたかも知れません。20日(日)午後からは、山頂付近でも霧氷が見られているようで、少々遅れ気味とはいえ、季節は確実に晩秋から初冬へと移ろっています。

久住分れを経て天狗ガ城下の御池へ着いてビックリ!なんと、御池が完全氷結しているのです。例年12月初旬に、一度は完全氷結する御池ですが、寒波が2〜3日間続かないと完全に氷結することはないだろうと思っていたので、これは意外です。御池中央部付近の氷はまだ透明で厚さもさほどではないようです。1〜2日程度で解氷することになるのでしょうが、それにしても今年はあっけなく完全氷結しています。

湖岸には、湖水が強い風にあおられて舞い上がり、雨氷状の造形が朝日を受けて輝いています。湖水を巻き上げるほどの強い風が吹いていたために、容易に完全氷結したのかな???とも思われるのですが、それにしても湖岸の木々の枝先に着いた氷が朝日に輝く様子は実に美しく、九重連山を飾る晩秋の造形です。

御池を迂回し、中岳山頂山頂で9時30分頃まで小休止。眼下の坊ガツル野営場にはテントが数張り設営されています。徐々に登山客が増え始めたので、中岳を発ち久住分れから星生山へ向かいます。星生崎から星生山頂への稜線は風も強く凍てつくような寒さを感じますが、風を避ければ晩秋の日が注ぎ実に暖かです。星生山頂下の岩陰で風を避け、少々早めではありますがのんびりと昼食タイムを楽しみ、正午過ぎに山を下りました。


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