2011年 夏

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2011年6月

【6月4日・5日】坊ガツル野営場

【6月4日】
6月6日の九重連山は曇。14時過ぎの吉部付近の気温は22℃。山開きを明日に控え、お決まりの坊ガツル私的山開き記念野営・・・いや宴会?の当日がやってきました。今年は坊ガツルで鍋、というテーマで朝から買い出しと具材の下準備を行い、11時過ぎに九重連山へ向かいます。

友人とその家族まで含めたパーティーは、今年もまた粛々と坊ガツルの宴会場?へと向かうのであります。ミヤマキリシマのハイシーズンとバッティングして、登山客が大挙して押し寄せていますが、吉部の有料駐車場のおかげで難なく駐車し、14時過ぎに入山しました。

鳴子川沿いの登路を淡々と歩き、食料係が重装備で青息吐息で歩くのを激励しつつ、17時前に坊ガツル着。すでにテント村が出現していますが、GWよりは少々少なめのようです。法華院温泉で入浴兼ビールの買い出し班とテント設営班に分かれて準備を整え、空腹がピークに達した18時に宴会スタート。それまで素面であった奇々怪々集団にとっては、山の静寂を破り声高にしゃべりまくるパーティーを苦々しく見ていたわけですが、飲むほどにパワーアップし、恥ずかしながら・・、後はもう、書くに忍びないていたらくであります。(苦笑)

【6月5日】
見事に爆睡した夜はいつしか更けゆき、明けておぼろげな意識の中で、テントをたたく雨音に気づいた午前4時頃、坊がツルの気温は15℃。夏山シーズンを告げる山開き当日となりました。ごそごそと這い出した5時過ぎ、坊ガツル泊の天気は雨。久々の雨天の野営となり、昨夜の余韻を残しつつも朝食を済ませた後、早々に撤収にかかります。雨が強くならないことを願いつつ、早々に山を下ることにしました。

今年の山開きは山頂祭は久住山ですので、坊ガツルや大船山は昨年ほどの驚愕の賑わいではありません。それでも、さすがにピークを迎えつつあるミヤマキリシマ鑑賞の登山客が坊ガツルへも続々とやってきます。徐々に雨も強まり、それほど山の天気は甘くないわけで、明け方からの雨は止む気配もなく、坊ガツル上空も雨雲が広がり続けます。

撤収を終え、雨の中黙々と歩き大船林道を経由して吉部へと下ります。ずるずるに滑るぬかるんだ登路を歩き、山を下った後は、おきまりの長者原周辺で温泉を楽しんだ後に、帰路へ着きました。ミヤマキリシマの開花状況が気になるところですが、それよりも坊ガツル野営の夜を満喫できたことが、何よりの収穫かと。(笑)

【6月12日】雨の吉部登山口

6月12日の九重連山は雨。午前7時前の長者原付近の気温は16℃。10日は週末恒例の宴席を終え、早々に引き上げて大分市泊。翌朝に備えたものの、11日朝に目覚めると雨。大雨洪水警報まで発令されている始末で、これはもう山行どころではなく早々に帰宅し所用を済ませた後に、雑用で北九州市へ向かいました。

明けて12日、雨が降る中を九重連山へと向かいます。雨脚は一向に衰えることもなく、延々と降り続く雨は一時強く降っては再びシトシト雨になる状態で、山頂付近にはガスがかかり続けます。山行は雨でも可能ですが、何しろ雨の中では撮影はままならないわけで、牧ノ戸にはガスもかかり続けており、再び長者原へと下ります。じっと耐えて10時過ぎまで長者原で待機した後、吉部登山口へ向かいます。

雨の中、県外ナンバーの車が10台ほど有料駐車場に停まっています。先週の山行の際に、友人が駐車場に忘れ物をしており、管理人に保管してもらっていた物を受け取って車に戻るまで、わずか5mほど歩いただけで、傘をさしていたにも関わらずずぶ濡れであります。雨脚がいっそう強まる中、山行は断念して帰路につきました。

【6月18日】雨の扇ヶ鼻

6月18日の九重連山は雨。午前5時頃の牧ノ戸峠の気温は16℃。17日夜、2時過ぎ頃から断続的に強く降る雨音でたびたび目覚めてはまた眠ることを繰り返しました。

雨音を気にしつつ薄明かりの中で朝食を済ませ、牧ノ戸峠へと移動します。牧ノ戸峠では5時前にも関わらず、すでに下の駐車場は満車に近く、上の駐車場にも車が駐まり始めています。ひとしきり雨が強く降り、しばし雨が小降りになるまでやり過ごし、結局入山したのは5時30分頃になりました。

雨が降らなかったのは入山後20分程度で、沓掛山第2展望台付近でガス雨が降り始め、沓掛山山頂付近に着く6時頃には、明らかにガス雨とは異なる強めの雨が降り始めました。先行する登山客を2組追い抜き、扇ヶ鼻分岐にさしかかる頃には、風が強まり雨も徐々に激しく吹き付け、周囲はガスに覆われ始めます。雨の中でも、山行すること自体は全く問題はないのですが、何しろカメラやレンズを濡らしてしまうことには気が引けるわけで、これはもう早々に引き上げた方が賢明な天気となってきました。

雨さえ降らなければ、扇ヶ鼻から星生山付近のミヤマキリシマの開花状況を確認する予定でした。しかしながら、断続的に強く降る雨が小降りになるチャンスを見て、それでもガス雨が吹き付けるのを傘でしのぎつつ撮影するのも限界があります。ひとまず扇ヶ鼻へ向かうことにして登路に入ります。扇ヶ鼻取り付きの東斜面に広がる群生地のミヤマキリシマは8分咲きからほぼ満開で、すでに花期を終えた花も見られるようになっています。つぼみが多く、次週前半にかけて見頃を迎えるものと思われます。

山頂付近も8分咲きからほぼ満開程度で、こちらも次週前半にかけて見頃です。天気予報では雨マークが連続しており、今年のミヤマキリシマは残念な結果に終わりそうです。天気次第ではありますが、平日山行が可能であれば、天気の状況を見ながら、ピークを迎えたミヤマキリシマを堪能できるかもしれません。ともかく今年に限っていえば、晴天でなくても雨とガスがない条件であれば、それ以上の贅沢は言えないような気もします。

扇ヶ鼻山頂付近は風も強く、岩陰でも横殴りの雨が降り付けます。往路もゆっくり歩いた割には1時間少々の所要時間であり、休憩も不要なため早々に山を下ることにして山頂を発ちました。帰路についた7時過ぎには後続の登山客も2〜3組ほどガスに霞む山頂付近まで訪れるようになりました。復路では、登山道が強まる雨のために泥流が流れる小川と化し、トレッキングシューズよりも長靴の方が明らかに快適なほどの水たまりが方々にできています。これほどの止む間もないほどの雨に降られるとは予想していなかったので、撮影はほとんどできていません。それでも、扇ヶ鼻付近の開花状況を確認できただけでも幸運でした。

【6月26日】閑散とした牧ノ戸峠駐車場・雨の扇ヶ鼻

6月26日の九重連山は曇時々雨。午前6時30分頃の長者原の気温は21℃。週後半から24日(金)夕刻まで霞ヶ関周辺を駆け回り、25日(土)の日付が変わる直前に帰宅。

明けて26日(日)、目覚めた5時前の自宅付近は曇で雨は降っていません。ともかく九重連山へ向かうべく自宅を発ち、大分自動車道を経由して湯布院ICを出たところで、「料金は700円です。」のアナウンス・・・?? 無料化社会実験が終了したので、宇佐道路が有料になっていたのですね〜。

長者原へ着いた6時30分頃、さすがにミヤマキリシマのハイシーズンも終了し、さらに雨天のためか駐車している車も極端に減っています。三俣山頂付近から黒岩山にかけてガスがかかり、これはもう雨が降っていないというだけで先週より少々ましな条件ではありますが、大差がないような気もします。(苦笑)

牧ノ戸峠駐車場も閑散としており、天気もさることながら、ミヤマキリシマのハイシーズンが過ぎただけで、こんなにも静かになるのかというほどです。ガスも濃く、雨がいつ降り出してもおかしくない天気ではありますが、先週に続き扇ヶ鼻付近の様子のみ確認すべく早々に入山します。沓掛山を過ぎて、ますますガスが濃くなり、扇ヶ鼻分岐付近からは、周囲の眺望も全く開けなくなりました。

扇ヶ鼻付近のミヤマキリシマもすでにピークを終えています。しかしながら枯れ花が目立つとはいえ、ガスに覆われ視界が効かず、近景しか見えなければ、それなりに咲いているように見えるのも何だか得をしたようで不思議です。(笑)

それにしても山頂付近は風が強く、久住高原から吹き上げてくるガス混じりの風にあおられて、決して寒さを感じるほどでありませんが、早々に山を下り温泉へ直行しました。

2011年7月

【7月2日】オオヤマレンゲ

7月2日の九重連山は曇時々雨。午前4時30分頃の長者原の気温は18℃。喧噪の1週間が過ぎ、前夜10時頃に長者原に着いた頃の気温は19℃で、天気は曇です。翌朝に備え早々に就寝したものの、一時雨が降る音で目覚めたりしながら、気づけばすでに午前4時過ぎです。昨夜の雨が気になったため、おそるおそる外を覗くと、見事なガスです。この時刻からだと当然朝駆けは無理にしても、このところ連続したガスに覆われた山行になるとは・・・・。予想はしていても、実際にそうなると、少々へこみます。

軽い朝食を済ませて牧ノ戸峠に移動。午前5時過ぎの牧ノ戸峠は濃いガスに覆われ視界が開けません。それでも、さすがにこの時刻にはすでに駐車場にやってくる車も多く、すでに下の駐車場には10数台が駐まっています。ガスはかかっているものの、雨は降っておらず、5時30分過ぎに入山。ガス雨で濡れはしますが、雨具を着用するほどでもなく、ガスに覆われた登路を淡々と歩きます。

牧ノ戸峠から沓掛山を過ぎても一向に視界が開けず、登路周辺にわずかに咲き残るミヤマキリシマを楽しみつつ、ひたすら歩くのみです。扇ヶ鼻分岐を過ぎ、西千里も久住分れ付近もひたすらガスに覆われたままです。水を満々と湛えた御池では、湖岸の登路は完全に水没していますので、上部の登路を迂回して、ひとまず池の小屋で小休止。

ガスが晴れる気配もなく、池の小屋を発ち南千里へ下り稲星分れに向かいます。ガスが濃く視界が全く開けないため、登路に精通していなければ道迷いしそうです。稲星分れも完全にガスに覆われており、ガス雨が小雨へと変わり始める天気です。鳴子山方面へは登路脇に樹木が茂る場所も多いため、雨具のズボンを着用し、鳴子山への登路へ入ります。

一向に好転しない視界の中でガスに覆われたままで、片ヶ池側の状態は全く把握できませんでしたが、登路脇のオオヤマレンゲと2年ぶりにご対面です。雨の中だったためか、周囲にフルーティーな香りは漂いこそしていませんが、花に鼻を近づけると懐かしのかぐわしい香りに包まれて、しばしうっとり・・・。白い清楚な花と魅惑的な香りに包まれて、これはもう感激のご対面であります。

先週25日(土)朝は、オオヤマレンゲの咲き具合が気になりつつも宿泊先のホテルから地下鉄で1駅で着く築地市場で朝から贅沢にも海鮮丼を堪能。まあ、どこにいても束の間の楽しみは周囲にいくらでももあるもので、山行できなかったとはいえ、それはそれで・・・・などと考えていたものの、やはり、2年ぶりのご対面は感激です。(笑)

鳴子山へ着いた8時過ぎ、すでに山頂には登山客が休憩中です。8時30分を過ぎる頃にはガス雨がいつしか小雨に変わり、後続の登山客も訪れるようになったため、狭い登路でのすれ違いに配慮し、ずるずるに滑る登路に悪戦苦闘しながら山を下りました。

【7月9日】夏の三俣山

7月9日の九重連山は曇。午前7時頃の長者原の気温は21℃。いつになく雨量が多く日照時間も少なめに推移してきた6月も終わり、夏本番を目前に控えても、大分県内では依然として雨の日が多くなっています。長者原に着いた7時過ぎ、周囲の山にはガスがかかり、山頂付近は見渡せません。。先週までの雨にたたられた山行を思えば、これはもう好天といえる天気であります。

7時30分頃に大曲から入山、今回はお手軽な三俣山への癒やし山行です。ガスがかかっているので、登路は適度に涼しく、高原を渡る風も実にさわやかです。久々に雨具が不要な天気で足取りも軽く、すがもり越を吹く快適な風に当たりながら、しばし夏の気配を満喫します。雨が降らなければ実に快適な季節となっています。

幸いガスが適度にかかり、暑さはしのげるのですが、今度は景色がガスに遮られて今一歩というジレンマスすら感じてしまうのです。(笑)ガスが切れると、しばし夏草濃い九重連山の景色が広がります。梅雨の雨で一際緑も濃く鮮やかに見えて、盛夏が間近いことを感じさせます。

西峰から4峰の谷に広がっていたであろうミヤマキリシマもすでに面影もなく、登路脇にわずかに咲き残る花が静かに迎えてくれるのみです。週末が雨にたたられた今年、ミヤマキリシマも扇ヶ鼻でわずかに望めただけでした。

本峰から南峰までは断続的にガスが押し寄せ、周囲の眺望もしばし開けては再びガスに覆われる状態が続きました。南峰の坊ガツルを見下ろすお気に入りのテラスに移動し、しばし至福の時を過ごします。汗ばんだ体に心地よい風が注ぎ、時折ガスが切れて眼下に広がる夏の坊ガツルの景色を堪能できました。景色は単調で、何だか物足りなさもそこはかとなく漂うものの、久々の雨に遭わない山行は実に快適であります。

【7月16日】沓掛山の東屋と盛夏の御池

7月16日の九重連山は晴。午前4時頃の長者原の気温は16℃。暑さの残る大分市街地から前夜22時過ぎに長者原に着いた頃、上空には星空が広がります。市街地の暑さとは一線を画す涼しさで、例によって酩酊して爆睡してしまいました。目覚めるとすでに4時。パンと牛乳で軽い朝食を済ませ、牧ノ戸峠へ向かいます。

3連休初日とあって、さすがに牧ノ戸峠駐車場は早朝から駐車している車も大変に多くなっています。入山した5時前、日の出30分前になると黎明の空が広がり、ヘッドランプも不要になります。沓掛山第1展望台から望む東の空は地平線付近が紅く染まり、それでもその色が徐々に薄まりながら確実に周囲が明るくなっていきます。沓掛山を過ぎる頃には扇ヶ鼻山頂付近に朝日が注ぎ始め、日の出の時刻を迎えたようです。沓掛山下の登路は以前山陰に入っており、扇ヶ鼻分岐付近で、やっと朝日を浴びることになります。

登路脇にはヤマブキショウマやシライトソウの花も咲き始めており、ノリウツギの花が咲くのはもう少し先になりそうですが、夏の山を飾る白色の花が目立ち始めるようになっています。上空は雲一つない快晴ですから、盛夏を迎えた九重連山は日が昇ると急激に気温が上昇しそうです。午後からの出勤はさておいても、盛夏の時期には早朝入山し、遅くとも正午までには山を下ってこないと暑さでやられそうです。早めに山を下って、麓で温泉三昧というのもなかなかの楽しみでありますからね〜。(笑)

しっかりと成長した夏草が茂る登路脇には、山を渡る風に夏草がそよぎ、早朝からの山行は実に快適です。山頂付近の標高が1800mに満たない九重連山では、何といっても早朝の山行がおすすめでありまして、夏後半となれば午後からは雷の心配もあるわけですから、早朝から午前にかけての山行が安心です。特に牧ノ戸峠から久住山や中岳方面は木が茂って日差しを遮ってくれる場所もなく、炎天下を延々と歩くことになるわけで、十分に水を用意することは必須です。

たっぷりと水を湛えた御池を迂回し、中岳へ向かいます。山頂で周囲の景色を堪能しながらしばし至福の時を過ごします。中岳周辺は、ご来光山行の賑わいと8時を過ぎてからの後続の登山客の狭間の静かさが広がり、貸し切りの山頂は実に快適です。それでも7時を過ぎると徐々に山頂を訪れる登山客が増えてきましたので、山を下ります。例によって復路では、あいさつ攻撃に遭うのをうつむき加減に歩きつつ、憂いを含んだ笑みで交わしながら歩くことになりました。(苦笑)

【7月23日】北千里の朝・盛夏の鉾立峠

7月23日の九重連山は晴。午前5時前の長者原の気温は17℃。盛夏とはいえ、市街地とは全く異なり、長者原の朝はすがすがしく爽快です。酩酊して爆睡したため、朝駆けの期待もむなしく4時過ぎに目覚め、ゆっくりと朝食を済ませ、周囲の山に朝日が差し始めた6時前に大曲から入山しました。

朝の清冽な空気も限りなく爽快で、すがもり越から北千里にかけても盛夏の朝はまた格別な趣があります。わずかに露を帯び草木が朝日に輝き、吹き抜ける風も肌に心地よく、思わずこのまますがもり越のベンチで寝転んでしまおうかと思わせるほどです。早朝はすがすがしくても、さすがに盛夏ですから気温はすぐに上昇し、焼け付くような夏の日差しが注ぎ始めるようになります。遅くとも11時前には山を下りたいところで、北千里から法華院山荘へと急いで下ります。

山荘上の砂防ダム周辺の工事は、重機を乗りい入れる工事用の取り付け道路も完成し、砂防ダムまで重機や作業車が入っています。砂防ダム周辺から法華院山荘側の斜面の法面を整備するようで、重機が一部斜面を削っています。

法華院山荘を過ぎ、白口谷から中岳方面へ向かうべく白口谷登路へ着くと通行を自粛する掲示が・・・。鉾立峠から白口岳への直登の登路へ取り付いたのは、すでに8時前で、快晴の空から照りつける日差しも徐々に強くなってきます。8時過ぎとはいえ首筋から背面に照りつける夏の日差しは強烈で、何より無風の登路はひたすら蒸し暑く、山頂直下まで延々と暑さとの格闘でした。

このところおよそ2ヶ月あまり雨天が多く、盛夏に備えて体の準備ができていません。強烈な盛夏の日差しと、平地よりも遙かに涼しいとはいえ標高が2000mに満たない九重連山では、晴天であれば気温もそれなりに上昇します。この暑さがくせ者でありまして、盛夏の日中は日陰のない久住山周辺ではひたすら暑さとの闘いになります。持参した2リットルの水も、山を下った11時過ぎにはすでにほとんど飲み尽くしていました。

やはり盛夏は早朝から午前にかけての山行にするか、日陰のある木々の茂るルートを選択するのがおすすめであります。できれば、晴天の日には日の出直前に入山して10時頃までには山を下っておきたいところです。今回少々白口岳山頂で長居をしすぎて山を下る時間が下がってしまいました。強烈な日差しのために、久々にしっかり日焼けもしました。とにかく、盛夏の山行では日差しと暑さに対する対策と、十分な量の水を持参することをおすすめします。

【7月29日・30日】暮れゆく中岳とタデ原の朝

【7月29日】
7月29日の九重連山は晴。17時頃の牧ノ戸峠の気温は23℃。平日なのになぜか夕暮れ山行を決行。牧ノ戸峠は意外に閑散として、喧噪に包まれたであろう牧ノ戸峠から久住山へのルートも、すでに17時前になるとすっかり静かになっていました。

日没は19時過ぎですから、まだ十分に時間があります。のんびりと歩いて西千里を経由して久住山へ向かいます。西千里付近までは山頂付近を覆うガスに日差しも遮られていましたが、久住分れに着く頃にはガスも時折晴れて、上空には夏の夕暮れへと向かう青空が広がります。18時過ぎに久住山頂に着いた頃には、再びガスも押し寄せ始めます。西の空に厚い雲がかかっているので、夕暮れは撃沈となる公算が大でありますが、山頂には誰一人訪れることもなく、貸し切りであります。

ガスがかかっては晴れる状態が続き、眼下には時折久住高原から阿蘇外輪山の広大な景色が広がります。阿蘇方面の眺望がすばらしい久住山は、やはり九重連山の主峰にふさわしく威風堂々とした景観を見せるのでありますが、何しろ牧ノ戸峠から入山する登山客のほとんどが久住山に向かうことから、著しい荒天の時はともかく、一年中恐ろしく賑わっており、なかなか足が向かないのであります。

山頂の気温は18℃で、風に吹かれていると寒さを感じるようになります。天狗が城山頂に人影が確認できますが、周囲の山頂にはそれ以外に人影もなく閑散としています。日没までの1時間30分あまり、黄昏れていく山々を眺めながらしばし至福の時を過ごすはずだった・・・・・・のですが。19時前には山頂をガスが覆うようになり、潔く山を下ることにしました。

上空にガスがかかり夕闇に包まれるのも心なしか早く、沓掛山手前でヘッドランプを点灯し20時頃に牧ノ戸峠に帰着。実に静かであっけない幕引きです。長者原へ移動し、温泉で汗を流してからいつになく早めの夕食を堪能し、酩酊して爆睡であります。

【7月30日】
明けて30日、すでに深刻な事態が進行中にもかかわらず、酩酊してしまい全く意識することもなく朝を迎えてしまいました。実は数日前から右の奥歯が痛くなっていたにも関わらず、放置していたのであります。代休は本来歯科治療のためだったのですが、意外に痛みが強くならないまま過ぎていたので、診察の予約もしておらず、迷った末の山行でありました。当然痛みは放置しておいて良くなるはずもなく、目覚めると右の顔面にまで著しい違和感があり、腫れています。

このまま帰路につくのも惜しい気がして、違和感と痛みに堪えつつ朝のタデ原を散策し、掃除が済んだばかりで浴槽に湯が半分程度しか満ちていなかった筌ノ口温泉に浸かり、山を下りました。痛みの結末は、結局治療を中断したまま2年以上放置していた奥歯を抜歯し、化膿していた場所を処置。処方された鎮痛剤と抗生物質を飲んではみたものの、眠れぬ夜を過ごしました。

2011年8月

【8月5日】雨のすがもり越と法華院山荘談話室

8月5日の九重連山は雨。6時頃の長者原の気温は20℃。平日なのに先週に続いてなぜか山行を敢行。これまた今週末の休日出勤の代休です。何だか不規則な山行になってしまい、それでもうれし恥ずかし平日山行であります。前夜23時前に職場のある大分市から長者原へ直行。着いた頃には、雲が広がるものの、雲間から星も望める状態でした。朝に備えて早々に就寝し、目覚めた4時過ぎには残念ながら雨です。雨は断続的に降っては止み、ガスが濃くかかるあいにくの天気です。2度寝を決めて、6時前に起きのんびりと朝食をとり、天気をうかがいます。

雨の日は長者原あたりで温泉三昧といきたいところですが、次週末の予定も立たず、ひとまず法華院山荘まで超お手軽に往復することに決定し、大曲へ移動します。駐車スペースに着くとパトカーが駐まっています。パトカーの隣には張り紙がある他県ナンバーの車が・・・???TV局のカメラが車両を撮影していたので尋ねてみると、登山客が昨日から行方不明になり、捜索中ということであります。

早々に入山して間もなく、警察の方に会い、行方不明の登山客は大船山方面で無事発見されたということであります。地元新聞でも報道されており、隣県から来られた70歳過ぎの登山客ということでした。今年5月に、大船山で道迷いした登山客を坊ガツル野営場まで同行した際も、持参した水が尽き体力的に厳し状況でした。枝道に迷い込んで、登路を見失うこともあるとは思いますが、年配の登山客の場合は、体力的に厳しくなって夕暮れまでに下れなくなるケースが多いようです。私の場合も、ほとんど単独山行ですから、いつ何時同じような状況に遭遇するとも限らないわけで、とにかく無理はしないこと、迷ったら潔くやめる、という鉄則を遵守したいところです。

すがもり越を過ぎ、北千里へ下る付近は強烈な風が吹き抜けていましたが、北千里へ下ると風も弱く、ガスに覆われた登路を淡々と歩いて法華院山荘へと下ります。山荘裏の砂防ダム付近は工事中で、重機が作業をしています。登山道は一部が、土砂を運搬するキャタピラのダンプが通っている作業道路となっており、折からの雨のため、足下はくるぶしまで埋もれるほどぬかるんで、まるで水田であります。登山靴とスパッツよりも、作業用の長靴の方が遙かに歩きやすそうです。

泥まみれになった足下を洗って、法華院山荘の談話室でしばし休憩。休憩中も雨が断続的に降り、ガスがますます濃くなります。法華院へ下る途中に、坊ガツル野営場にテントが設営されているのが見えました。砂防ダムの工事のために山荘下にはダンプも乗り入れており、もう野営場に向かう気も失せて、しばしというより、じつにゆっくりと談話室で至福の時を楽しんだのであります。

【8月13日】アキアカネ

8月13日の九重連山は晴のち曇。7時前の長者原の気温は21℃。5時過ぎに自宅を発ち7時前に長者原着。7時過ぎに大曲から入山。涼やかな風に吹かれながら順調に高度を上げていきます。気のせいか吹く風がわずかに涼しさを増しているようです。

朝露に濡れた登路のササをかき分けつつ硫黄山取り付け道路に合流し、すがもり越へ向かいます。すっかり日が高くなった8時頃のすがもり越付近には、徐々に登山客が増えていきます。西峰登路に取り付き、本峰を経由して南峰へ向かいます。登路脇には毛むくじゃらのフクオウソウが花を咲かせ、リンドウも順調に生長しています。おびただしい数のアキアカネも飛来しています。

山頂付近を吹く風は、明らかに晩夏から初秋の気配を感じさせるもので、ススキも穂を出し、早くも夏の終わりを予感させる景色が広がり始めています。すでに8時を過ぎ、日も高く風も吹いているので、登路のササに着く露もずいぶん乾いていました。

南峰に着き、毎度の坊ガツルを見下ろすテラスに移動。10時を過ぎ山頂を発ち、山を下りました。さすがにお盆休みだけあって、11時前のすがもり越には多くの登山客が押し寄せています。

【8月20日】ルリ色の宝石・ヒゴタイ

8月20日の九重連山は曇時々雨。5時前の長者原の気温は19℃。19日夜、21時頃には現着し、雲間から望む星空を眺めながら至福の時を過ごし、性懲りもなく酩酊し、いつ寝たのかも記憶にありません。夜半に一度目覚めたものの見事に爆睡し、気づけばすでに4時過ぎです。気温は昨夜と同じ19℃で、市街地の朝とは一線を画す涼しさ、というより寒さを感じるほどで、実に快適です。

のんびりと朝食をとり、6時前に牧ノ戸峠に移動。駐車場はすっぽりとガスに覆われ、強めの風も吹いています。沓掛山登路に取り付き、第1展望台からはガスに覆われています。沓掛山頂付近にさしかかる頃には、ガス雨の粒が大きくなり、やむなく雨具を着用。雨はその後断続的に降っては止み、それでも山を下る10時頃まで本降りとなることはありませんでした。

久住分れの避難小屋付近での視界は10m程度で、周囲の眺望も全く開けず撮影もままならない状況です。池の小屋に着いた8時過ぎ、小屋の周辺では雨こそ降っていませんが、ガスが強い風がに吹かれて強烈に吹き付けています。閑散とした貸し切りの池の小屋でしばし至福の時を過ごし、一向に薄れる気配もないガスを恨めしく眺めつつ、結局9時前に小屋を立ち山を下りました。

【8月27日】すがもり越の朝

8月27日の九重連山は晴。4時頃の長者原の気温は18℃。前夜22時過ぎに長者原着。朝4時に目覚めると上空には星空が広がり、見事な晴天です。早々に山行を終えて山を下らないと脱水症状でも起こしかねません。(笑)

大曲から4時30分過ぎに入山。朝露を帯びた登路のササで足下は徐々に濡れていきます。硫黄山の噴煙が朝日に染まり始め、周囲の山頂にも徐々に朝日が注ぎ始めます。すがもり越に朝日が注ぎ出すのは周囲の山頂に日が注ぎ始めて約20分後の6時頃、涼やかな風が吹くすがもり越にも晩夏の朝が静かに訪れます。

他の登山客がいない貸し切りのすがもり避難小屋は限りなく快適です。晩夏の朝、静かに時間が流れるすがもり避難小屋でゆっくりくつろぐもの一興でしょう。しかし山頂付近の様子も気になるところでありまして、朝露をたっぷりとまとった登路の草をこぎながら三俣山西峰へ取り付きます。

この夏の週末の天気が不順であることを理由に、このところ隔週ごとに中岳周辺と三俣山へのお手軽な山行が続いて何とも食傷気味とはいえ、それでも心地よい風が吹く朝の山頂付近は実に快適です。


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