2012年 冬

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2012年1月

【1月7日】厳冬の大船山頂

1月7日の九重連山は晴。10時前の七里田付近の気温は3℃。大船山へのルートで久住町側からのアプローチであれば、冬季は牧野のフェンスが解放されガラン台までの乗り入れが可能な有氏牧野道が大変便利なのですが、この冬は1月になってもフェンスがロックされています。

10時に入山し、冬の陽が注ぐ登路を淡々と歩きます。ガラン台から岳麓寺ルートと合流する柳ガ水分岐付近まではわずかに積雪がある程度です。入山公墓入り口と鳥居窪付近、鳥居窪から山頂直下までも登路の積雪は10〜15cm程度で、凍結はなくきわめて歩きやすくなっています。雪が適度なクッションとなって、無雪期よりも歩きやすいほどです。

鳥居窪付近から積雪が多くなるのが通例ですが、今冬は現在まで積雪量が少ない状態ですから、ラッセルの負荷は全くかかりません。

山頂直下の登路は木々の枝先に着く霧氷も少なめです。それでもザックが枝先に触れる度に頭上から砕けた霧氷が降り注ぎ、首筋から背中に入り込んできます。12時30分前に山頂着。すでに数名の登山客が休憩中です。晴天で冬の陽が降り注ぐ山頂も快適ですが、御池の方がさらに暖かそうで、そそくさと撮影を終えて早々に御池に下りました。

御池湖面はうねるように高低ができて氷結しています。当然ツルツルに滑る氷は要注意です。何度も痛い目に遭ってますからね〜。アイゼンを装着しないまま、及び腰で腰が引けたまま湖面を横断しスリルを楽しむのも一興です。湖岸は雪に覆われていますが、雪の下は氷です。昨年夏に降水が多く、秋になっても湖岸まで湖水があったままで、そのまま氷結しています。

湖岸でさんさんと降り注ぐ陽を浴びながら昼食を兼ねて快適な大休止の後、13時過ぎに山頂を発ち、15時に牧野道下の駐車スペースに帰着しました。

【1月14日】すがもり避難小屋と冬の坊がつる

1月14日の九重連山は曇のち晴。7時頃の長者原付近の気温は−4℃。少々寝過ごし自宅を発ったのはすでに6時前。曇という予報にもかかわらず、煌々と月が輝く晴天のようです。大分自動車道を経由して現着した7時頃、上空には雲がかかり、星も望めません。山頂付近には濃いガスもかかっており、中岳方面へ向かっても池の小屋でささやかな休憩タイムを楽しんで下ることになるだけでしょうから、ここはお手軽すぎる坊ガツルまでの往復に決定して、大曲から入山しました。

昨冬は久々に積雪が多かったのですが、今冬はここまで積雪も少なく、大曲の駐車スペースは普通車でも問題なく駐車できます。昨冬はショベルでせっせと雪掻きをして、デファレンシャルをロックして乗り入れたことを思えば、実に気楽なものです。お気楽なついでに、アイゼンも持たずに入山してしまい、少々後悔することになろうとは思いもしませんでした。(苦笑)

坊原上から硫黄山下の谷を越えすがもり越へ向かう7時30分頃、すがもり越付近のガスがわずかに染まります。どうやらガスの切れ間も望めそうな気配を感じつつ、すがもり越に着いたのですが、見上げる三俣山も中岳周辺もガスに覆われています。大船山も全く望むことはできず、周囲の眺望も今一歩です。こうなると長居は無用で、早々に法華院山荘へ向かいます。問題はこの先でありまして、北千里を過ぎ法華院山荘への下りでは、圧雪した登路に悪戦苦闘することになりました。

法華院山荘から北千里浜へ向かう谷は、積雪期には吹きだまりとなるため積雪が多いことがよくあり、新雪の時は首まで埋もれて苦労する事になるのですが、圧雪すると適度にステップが付いて歩きやすくなるのです。ところが今年は積雪が少なくステップはできていません。きれいに踏み固められているため、滑って歩きにくいことこの上ないのです。登りならまだしも、下りはアイゼンを装着する方が無難です。工事を終えた砂防ダム付近の登路は、氷でコーティングされている場所もありますし、冬季はアイゼンの携行が必須です。注意深く下ったため、転倒することはありませんでしたが、少々時間がかかってしまい、山荘へ着いたのは9時過ぎになりました。

のんびりと休憩している場合ではなく、早々に坊ガツル野営場へ向かいます。昨冬は雪に埋もれていた野営場は少々風が吹くものの、注ぎ始めた冬の日も暖かく快適です。9時を過ぎると上空には青空も広がり、山頂付近のガスも切れ始めました。快適な冬の一日になりそうな気配を感じつつ、早々に山を下ります。帰路、法華院山荘から北千里へのルートは登りとなりますので、難なく歩いて11時前に大曲へ帰着。

【1月21日】厳冬の中岳と御池

1月21日の九重連山は曇。6時頃の長者原付近の気温は0℃。外気温が厳冬期にしては珍しく0℃と高めだったこともあり、冬用のシュラフに潜り込むと実に快適です。酩酊して爆睡し、目覚めるとすでに6時になっています。ご来光山行には明らかに遅い時刻となっているのですが、薄明かりに望むとどうやらガスがかかっているようです。慌てることもなくのんびりと朝食を済ませてから牧ノ戸峠に移動します。長者原付近のガスは、大曲を過ぎて高度を上げていくと消え始め、牧ノ戸峠では全くガスの気配はありません。

7時を過ぎるとさすがに牧ノ戸峠には次々と登山客が訪れるようになります。次々に入山していく登山客に混じり7時30分頃に入山。沓掛山の東屋がある第1展望台まで登ってみると、長者原から飯田高原にかけて雲海のように底霧が覆っています。朝はこのガスの中にいたわけでありますから、ガスがかかっていたのは当然です。沓掛山登路も思いの外雪が残っており、さすがに標高が高いと、こんなものなのでしょうか。

意外に雪が融け残っていたため沓掛山を越えるのに慎重になり、西千里ガ浜に着く頃には9時になっています。ガスは少々薄れ、一時久住山上空がにわかに明るくなったものの再びガスが濃くなり、御池から中岳方面へ向かう頃には大船山方面も全く望めないほど濃くなってしまいました。御池は解氷しているかも・・・という予想とは異なり、完全氷結したままです。

それでも少々氷は薄くなっているかも知れませんし、湖岸付近はしっかりと氷結しているので歩いても不安はありませんが、湖岸から中央部に向かっては、ゼリー状の雪が湖面を覆うようになっていて、実際の氷の厚さは不明です。次週には強い寒波が襲来して、再び湖面中央部を歩いて渡ることができるようになるのでしょうが、今回は湖岸に近いところを歩いて御池を一周してみただけです。

坊ガツルから大船山方面もガスが濃くかかり、中岳山頂でしばらく待機したものの、一向に晴れる気配がありません。あきらめて山頂を下り、西千里を過ぎる11時過ぎにはガスも薄れ薄日が差し始めました。うっすらと雪が残っていた登路は、一部が泥濘地と化し、ズルズルに滑りながら山を下り、正午前に牧ノ戸峠に帰着しました。

【1月28日】厳冬のすがもり越(上)と三俣山本峰山頂(下)

1月28日の九重連山は曇。5時頃の長者原付近の気温は−4℃。27日(金)夜、職場のある大分市から現地へ向かいます。温泉で温まり、例によって爆睡してしまいました。なぜか前夜からの現地入りとなると、朝の運転が不要という安心感から期せずして酩酊し、朝の目覚めも遅くなり、頭が重かったりして青息吐息で登路を歩く羽目になる、という情けない状況になりがちです。そこで自制心の塊と化して、黒白波900mlのパックが空になる前にシュラフに潜り込んで強制的に寝ました。(苦笑)

目覚めたのは5時前、昨夜の決断が功を奏し、さわやかな目覚め・・・といきたかったのですが、のどが痛く鼻が詰まっています。風邪のひきはじめのような症状で、昨夜の温泉後の湯冷めが原因かも知れません。厳冬期にしては暖かな朝で、それもそのはず上空は雲に覆われています。のんびり朝食を済ませ、大曲へ移動した6時頃にはのどの痛みも少々治まっていました。

6時30分頃に大曲から入山。晴天であればすがもり越で日の出を迎える事ができる時刻です。ヘッドランプに照らされた登路の積雪は10cmもなく、やはり積雪は少なめです。硫黄山道路と合流する頃には、かろうじてヘッドランプも不要になります。すがもり越に着いた7時30分、依然として上空の雲は薄れることもなく、太陽の輪郭すら望めません。ご来光のシチュエーションは空振りでしたが、ほぼ無風で快適な朝です。すがもり避難小屋で小休止し、三俣山西峰に向かいます。

西峰から本峰にかけての積雪は15cm程度。こちらも全体的に少なめです。前日までの登山客のトレースがわずかに残っています。この程度の積雪であれば、新雪で苦労することもなく、ルートを見失うこともないでしょう。西峰から本峰にかけては風も吹き、少々寒くなります。吹きだまりの新雪に足を取られて、本峰登路で大転倒してしまいながらも、あっけなく本峰着。山頂から望む雪化粧した厳冬の九重連山の景色は神々しく荘厳で、身が引き締まる思いです。

のどの痛みは小康状態ではありましたが、長居はせずに4峰山頂で風を避けて小休止して、早々に山を下りました。温泉の蒸気でのどを潤し、ドラッグストアで葛根湯を調達して大急ぎで帰宅しました。うがい薬と葛根湯とビタミン剤の威力に期待したにもかかわらず、空しくも日曜の朝の目覚めは今一歩で、のどの痛みは依然として続き鼻水たらり〜、と情けない状態になっています。

2012年2月
【2月4日】厳冬の暮雨の滝

2月4日の九重連山は晴。7時の飯田高原の気温は−7℃。上空は晴天なのですが、山頂付近にはガスがかかっています。今回は暮雨の滝の氷結具合の確認のため吉部から坊ガツルまでのお手軽なスノーハイクですので、山頂付近のガスも気になりません。

吉部の大船林道入り口までの道路は、搬入路確保のため除雪された圧雪路ですので問題なく通行できます。7時20分頃に鳴子川西岸の登路から入山、暮雨の滝へと向かいます。登路の積雪は15cm程度で、先週後半に降った雪もさほど多くはなかったようです。先行者のトレースもしっかり残り、斜面にはステップも付いていて、実にお手軽なスノーハイクです。昨年元旦には登山口付近で30cmを超え、登路は膝上の雪で40cm以上あり、暮雨の滝へ下る枝道で胸元まで雪に埋もれた事を思えば、あっけないほど簡単に滝へ着きました。

ここ2日ほど長者原付近の最低気温が−17℃程度まで冷え込んでいたので、全面氷結を期待したところです。しかしながら滝壺は周囲がわずかに凍っているだけで、滝の水量も多く完全氷結にはほど遠い状況です。しかしながら、やはり厳冬期の暮雨の滝は巨大な氷柱が覆い、景色も荘厳で神々しいばかりです。暮雨の滝を撮影しつつ、1時間あまり景色を堪能した後、坊ガツルへと向かいます。

坊ガツル付近は風が強いためか更に積雪は少なく10cm程度です。坊ガツルに伸びる法華院山荘への道路はきれいに除雪され、一部は地面が見える場所もあり、やはりこの冬の積雪は少なめのようです。野営場にはテントが2張り、その後も新たなテントが設営されていました。風も弱く、日当たりがよい場所は結構暖かだったのですが、それでも避難小屋の快適さには及びません。

坊ガツル避難小屋入り口のドア下側の一部が外枠と接触し、堅くなっているため少々開け辛い状態です。ドアノブを強めに引けば開きますが、最初は施錠されているのかな?と思ったほどです。小屋内部はきれいに使用されていて、利用者のマナーも良さそうです。床を掃くホウキが置かれていましたし、スリッパも置かれていたりして・・・。宿泊利用は禁止されているので、一体何に使うのだろうかと考えてしまいます。避難小屋でしばし小休止の後、山を下りました。正午前に吉部の大船林道入り口に帰着した頃の気温が−3℃。無風でこの気温ですと、歩いていればうっすらと汗が出てくるほど暖かです。

【2月11日】厳冬の久住山登路

2月11日の九重連山は晴。7時の牧ノ戸峠の気温は−8℃。前夜10日(金)22時頃に現着した時の長者原の気温は−7℃。−10℃以上の気温ですとシュラフの中はぽかぽかで、朝まで熟睡できます。熟睡できるのはよいのですが、ついつい寝過ごしてしまうのも毎度のことで、今回も目覚めたのはすでに6時前でした。(苦笑)

軽い朝食を済ませて、牧ノ戸峠へ移動。7時30分頃に登路に取り付きます。冬季、牧ノ戸峠から久住山へのルートで最大の難所は、セメント舗装された沓掛山登路でありまして、ここを通過できれば、ほとんどの場合アイゼンがなくても歩けるようになります。登りはともかく下るのが至難の業ということも多く、積雪時は簡易アイゼンで十分ですので、携行されることをおすすめします。

徐々に高度を上げ、西千里ガ浜付近からガスの中に入ります。積雪は少なく、多い場所でも数センチ程度です。しかしながら、新雪の下ががちがちに凍った氷になっている場所もあり、慎重に歩き久住分れから空池縁へ抜ける頃にガスも晴れてきました。御池付近からは完全にガスが晴れ、晴天の空の下、快適に歩けます。

先週一時気温が上昇し、冬季にしては結構な雨が降ったためか、御池は天狗ヶ城側の一部が解氷しています。全体的には氷も厚く、湖面を歩くのも不安はありません。これは、あくまでも個人的見解でして、万が一湖面を覆う氷が割れ、不幸にも寒中水泳となった場合は自己責任であります。(笑)

中岳山頂は風も強く、早々に切り上げ山を下ります。通常は天狗ヶ城山頂を経由して下るところですが、なぜかカメラを構えた登山客が大挙して押し寄せており、再び御池湖岸を迂回しました。西千里を過ぎると山頂付近より遙かに気温が高く、沓掛山から牧ノ戸峠へ下ると、まるで別世界の暖かさです。長者原では気温も0℃近くまで上昇し、風も弱くぽかぽかの暖かさです。

【2月18】雪降る法華院温泉山荘・氷結した北千里ヶ浜

2月18日の九重連山は雪。5時過ぎの長者原の気温は−10℃。前夜は例によって職場のある大分市から湯平温泉経由現地入り。山間部では大雪の予報が出されています。予報は可能性を提示しているだけとはいえ、わずかの積雪で冬用タイヤ規制もせず、すぐに通行止にしてしまう九州の高速道路事情を考慮すれば、早朝出発して現地に向かうより前夜から現地にいた方がはるかに楽です。

湯平温泉から路面に雪が積もり始め、特に危険な場所もなくわずかに積雪した長者原に着いたのは22時前で気温は−8℃、徐々に雪が強く降り始めていました。明朝にかけ大雪の予報が出されている割には気温も高めです。例によって酩酊して爆睡。シュラフに潜り込めばポカポカの夢心地で、夜半吹雪いていたらしいのも全く気づかず、目覚めたのはすでに5時過ぎです。気温が−10℃近くなると、さすがにシュラフから抜け出すのに決意が必要で、これで30分はロス。のんびりと朝食を食べ、大曲へ移動したのはすでに7時前です。

昨夜からの新雪が10〜15cm程度積もった登路を歩き、まずはすがもり越へ向かいます。山頂付近にはガスがかかり、時々山肌に薄日が注いだりもする悩ましい天気です。予報では天気は雪ですので、晴れ間が長く続くことはなくても、束の間の晴れ間があれば撮影は可能ですから、三俣山へ向かうべきか、ガスを避けて法華院山荘へ下るべきか迷います。

すがもり越に着くと、すでに先行者が束の間のガスの切れ間に三俣山に取り付いているのが確認できます。しかしながら、経験則の「迷った時は潔くやめる」という鉄則を超えてまで山頂に向かう必然性もなく、ここはお気楽に法華院山荘へと下ることにします。

北千里へ下ると、氷の川が出現しています。一昨日までの雨は、かなりの雨量があったようで、北千里ヶ浜を流れていた小川がそのまま氷結したようです。当然ツルツルに滑る氷ですから、安全のためアイゼンを装着します。

北千里から法華院山荘へと下る登路では、新雪が周囲より多少深く、20cm程度積雪している場所もあります。断続的に雪が舞う中、時折強く降る雪を眺めつつ山荘の談話室を借りて小休止。山荘付近の積雪は15cm程度で、昨夜からの新雪が降り積もって、気温も低めだったのでパウダースノーです。1日経てば嵩が締まって10cm程度になるでしょう。

帰路も断続的に雪が降り、山頂付近はガスに霞んだままでした。すがもり避難小屋は団体の登山客が訪れ大混雑。訓練のためでしょうか、ハーネスやヘルメットを装着した地元の消防職員も待機していました。混雑したすがもり越はスルーして大曲へと帰着。

2012年12月
【12月1日】天狗ヶ城から望む中岳

12月1日の九重連山は曇。5時頃の牧ノ戸峠の気温は−2℃。晴天に期待しつつも、冬季は特に風の強い山頂で待機するのは辛いため、お手軽な星生山あたりでのご来光鑑賞に間に合うよう、牧ノ戸峠から5時過ぎにヘッドランプを灯して入山しました。

沓掛山登路を登ると山頂付近の登路は霜柱に覆われています。カラ松林を過ぎ、扇ヶ鼻分岐手前からは、ヘッドランプに照らされた登路も雪に覆われるようになりました。扇ヶ鼻分岐から西千里ヶ浜にかけてガスに覆われていたため、ガスに覆われる山頂に向かうのは止め、西千里でしばらく待機することにしました。

しばし西千里でガスの切れ間を待ってから、久住分れを経由して御池へと向かいます。ガスが薄れると周囲はすっかり雪におおわれており、さすがに12月を迎え、九重連山も雪をまとい、すっかり冬景色です。御池は、南側と東側の一部を除き、氷結しています。まだ湖面を歩くのは少し怖いかな〜という状況ではありましたが、後続の登山客はおそるおそる凍結した湖面を歩いていました。

御池湖岸を迂回し、中岳方面へ向かいます。ガスは一向に晴れず、中岳や天狗ガ城山頂からは登山客の声も聞こえてきます。天狗ガ城と中岳の稜線にある御池と久住山を撮影する定点の岩場付近でしばらく待機しましたが、時折ガスが薄れて御池が望める程度で、ガスが完全に切れることもありません。天狗ヶ城山頂でしばらく待機しましたが、時折ガスが薄れて中岳方面が望めるものの、再びガスに覆われる天気が続きます。

午後から所用のため、遅くとも9時30分までには山を下っておかなければなりません。下山のタイムリミットは8時過ぎかと焦りつつも、ガスの切れるタイミングが徐々に早くなってくるのも気になり、ぎりぎりまで待って8時15分頃に山頂を発ち山を下りました。

【12月8日】冬景色の大船山

12月8日の九重連山は雪。正午過ぎの長者原の気温は−3℃。午前の所用を終え、大曲から正午過ぎに入山。山頂付近はガスがかかっており視界も開けない状態です。こうなるとすがもり越を経由して法華院山荘付近までのお手軽山行に決定です。久しぶりの雪の感触は新鮮です。強風が吹き抜けるすがもり越を抜け、北千里から法華院山荘へと下ります。登路の積雪は5cm程度で、今回のような新雪であれば歩き易いのですが、夜間に冷え込んで氷結すると滑りやすくなりそうです。冬季の山行では簡易アイゼン程度はを準備しておくことをおすすめします。

北千里が浜はずれにさしかかる13時30分ころから急激に山頂のガスが薄れ始め、13時40分頃には大船山上空に青空が広がり太陽の日が注ぐようになりました。冬季に限らず山の天気はめまぐるしく変化するもので、結局山を下る途中の15時過ぎまでの約1時間30分あまり青空が広がりました。夕刻から諸兄らと某所での宴席のため早めに山を下っておかなければなりませんし、借家の片付けや灯油の購入もしなければならないため、法華院山荘の談話室で小休止し、早々に山を下ることにしました。

談話室に着くと、フェアビュー氏が休憩中。夕刻からの宴席で再び会うことになっているので、少々情報交換をした後は一旦お別れし再び宴席で再会の運びであります。往路を引き返すことにして、法華院山荘を発ち北千里ヶ浜からすがもり越を経由し、一気に大曲へと帰着した16時前には、山頂付近は再び濃いガスに覆われていました。

【12月16日】雲海を染めて昇る太陽

12月16日の九重連山は晴。午前6時前の長者原の気温は3℃。衆議院選挙当日でありますので、早々に山行を終えて日本の将来を決定する審判の一票を投じなければなりません。気もそぞろに6時に大曲から入山。1時間少々で九重連山は夜明けを迎えそうです。

上空には星が輝いていますので、ご来光も間違いなく見られそうです。上空が黎明に明けゆく中をヘッドランプを灯して、どろどろにぬかるんだ登路に滑りながらも、硫黄山道路に合流します。ここからはぬかるみもなく快適歩いて、すがもり越付近でヘッドランプを消灯します。

冬至まで1週間余りになり、日の出の時刻も7時10分過ぎになっていますので、すがもり越で日の出を迎えるには少々時間をもてあまし気味。西峰斜面に取り付き、地震計の下付近で南東の雲海の中から朝日が昇ってくるのを眺めつつ思わず合掌。荘厳な朝であります。

早々に撮影も切り上げて、西峰から本峰へ向かいます。昨日のまとまった雨で積雪はかなり融けたものと思われますが、北斜面や登路には依然として残っています。融け残った雪を踏みながら登路を歩き、本峰でも?峰でも少しばかり休憩した後に、再びそそくさと山を下り、9時過ぎに大曲に帰着しました。

【12月23日】ガスに霞む久住山と凍てつく星生崎付近

12月23日の九重連山は雪。午前6時過ぎの牧ノ戸峠の気温は−5℃。6時30分頃には徐々に黎明の明かりの中でヘッドランプがなくても周囲の状況が分かるようになり、ガスがかかる沓掛山登路から入山しました。

登路はほとんど氷結した状態です。先週の三俣山登路は随分とぬかるんだ状態でしたので、冷え込みが思いの外厳しかったようです。沓掛山下の霜柱に覆われた登路には先行者の足跡が残っています。7時を過ぎてもガスに覆われたままで周囲は薄暗く、淡々と歩いて西千里へと向かいます。扇ヶ鼻分岐付近からガスかかる星生山斜面は霧氷で真っ白になっています。沓掛山付近はかろうじて霧氷が木々の枝先に着いている状態でしたが、扇ヶ鼻分岐付近で周囲の景色は冬景色に一変します。

西千里ヶ浜のケルンも岩氷が付着し、星生崎付近からは登路脇に融け残る雪も見られようになります。山頂付近は職場のある飯田高原より1000m弱標高が高いので、単純に6℃近く気温が低くなるわけで、雪の残り具合などにも格段の差があります。久住分れの久住山避難小屋前は完全に氷結し、滑りやすいので慎重に歩き、久住分れから御池へ向かいます。

一度解氷した御池が再び氷結し始めていましたが、またしても湖面に大量の投石が載って景観を損ねています。このまま御池が氷結してしまうと、載った石は春先の完全解氷まで残ることになります。毎年冬になると御池の投石にはうんざりしています。残念で仕方がありません。

周囲の山頂もガスに覆われているので、池の小屋で小休止することにして池の小屋に入ると、朝駆け後の休憩中であったbocci氏gin氏に会い、しばし情報交換。20分ほど小休止してから早々に山を下りました。

【12月29日】中岳下から望む由布岳・投石載る御池

12月29日の九重連山は晴。午前6時過ぎの牧ノ戸峠の気温は0℃。飯田高原の借家で目覚めた4時30分頃、おそるおそる外を除くと雲がかかり星も全く見えません。牧ノ戸峠は強い風が吹き、ガスが吹き付けています。山の天気はこんなものだろうなと安易に考え、6時30分前にヘッドランプを灯して入山しました。沓掛山登路も強い風が吹いています。

ところが、沓掛山頂付近に着くと風は止み、扇ヶ鼻方面までくっきりと望めるではありませんか。振り返ると、黎明に望む飯田高原は濃い雲海に覆われ、牧ノ戸峠付近には飯田高原からガスが激しく流れて来ています。飯田高原はこのガスに覆われ、牧ノ戸峠を吹き抜けていた強い風も、どうやらこのガスの仕業だったようです。沓掛山を下ると風は妙に暖かさを感じるほどで、目の前には星生山や扇ヶ鼻が明瞭に見えています。晴天の放射冷却により飯田高原全体に冷気が溜まっていたのかも知れません。

すでに時刻は7時を過ぎ、日の出まで20分余りを残すのみです。西の空には雲海に沈もうとしている月が望めます。月を望みつつ扇ヶ鼻分岐手前で三脚を据えて日の出を待ちます。やがて扇ヶ鼻山頂付近に朝日が差し始め、周囲が急に明るくなり始めます。上空は雲一つない晴天です。ジャケットを脱ぎ、汗ばむような暖かさすら感じる登路を、足下の氷結に気をつけながら歩きます。

西千里付近は泥濘地が氷結し、でこぼこの登路が続きます。朝駆けには出遅れたものの爽快な冬の朝を満喫しながら歩きます。久住分れから空池縁を経由し御池に向かいます。

御池は再氷結し始めていましたが、残念なことにかつてないほどおびただし数の投石が湖面に載っています。山ガールなどという造語がメジャーになり、このところ20才代と思われる若い登山客が多数やって来るようになったことと、何かの因果関係があるのかどうか・・・・・何の根拠もありません。しかしながら、今日も御池の湖面に投石をしている若者のグループがいました。景観を損ねるので止めるようにお願いしたところ、素直に止めました。彼らは本来的な意味での確信犯で、悪気はないようです。氷結した湖面に投石すると、春まで残ってしまうことなど全く考えが及ばないのでしょう。

御池湖岸を迂回し中岳と天狗ヶ城分岐付近で朝駆け後のbocci氏に会いご挨拶。元旦の初日の出山行を予定してるということで、全く敬服ものであります。中岳山頂も風は弱く、冬の陽を浴びると暖かさも感じられるほどで、しばし小休止のの後、再び御池に下ります。ツルツルの湖面で撮影中のsumi氏に久々に会い、しばし情報交換。

御池の氷結した湖面におそるおそる乗ってみましたが、やはり湖面中央部を歩くのは、もう少し氷結が進んでからの方が無難でしょうし、とにかく滑るのでアイゼンを持参しないと腰が引けて無様な格好になってしまい、何とも情けない限りであります。(苦笑)復路はどろどろにぬかるんだ登路に悪戦苦闘しながら山を下り、10時30分頃に牧の峠に帰着しました。


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